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川崎がACLでも終盤の失点で……。
「今日に始まったことじゃない」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/04/11 11:40
Jリーグは連覇しても、ACLでは苦戦が続く川崎フロンターレ。この苦境を覆すことができるか。
攻める時間帯もあったが……。
しかし時間の経過とともに攻撃の精度を欠き、ボールを失う場面が増えていく。その結果カウンター攻撃にさらされた。また、前半34分には谷口彰悟が負傷で予想外の交代を強いられ、今季初スタメンのCB舞行龍ジェームズと、今季1分しか出場していないボランチのカイオ・セザールはなかなかゲームに入れておらず、落ち着きを感じられなかった。
それでも、後半は立ち上がりから川崎の時間帯が続いた。家長昭博とマギーニョのコンビが、右サイドでチャンスを作るシーンもあった。左からの攻撃を活性化させるべく、70分には車屋紳太郎に代わって登里享平が投入されている。
マイボールの場面では両サイドバックも高い位置を取り、5トップのように前線に選手が並んだ。しかしコンパクトな陣形を保ててはいたが、蔚山の守備ブロックを崩すような連動は見られなかった。
最後の1枚、難しい判断。
そして時間が経つにつれて、川崎は徐々に自陣へと押し込まれていく。疲労の色が濃いカイオ・セザールは足をつったのか、ふくらはぎを伸ばすシーンもあった。それでも監督は動かない。
攻撃的な選手を入れて得点を狙うのか、守備的な選手を入れて失点を防ぐのか、0-0の状況で最後の1枚をどう使うかの判断は難しい。試合の動きに合わせるしかない。そんなふうに考えているのだろうと感じた。
しかし、ピッチ上では川崎がどんどん不利な状況になっていた。ボールを奪ってもすぐに奪い返される。セカンドボールも拾えず、跳ね返せない。
「80分過ぎですかね、僕も(田中)碧に『最悪0-0で行こう』と話していた。この内容だったら0-0で勝ち点を拾えばいいと思っていたし、チーム内で意思統一はできていました。
ただ油断なのか、時間の使い方なのか……。もうちょっと前でキープしたりとか、そういうのができれば、また違ったと思う。意思統一はできていたけど、守れなかったというのは、個人個人の責任かなと思います」
小林は、そう振り返る。