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川崎がACLでも終盤の失点で……。
「今日に始まったことじゃない」
posted2019/04/11 11:40
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
「勝ち点1を奪いにいくことを考えて、時間を使うために交代しようと思っていた」
最後の交代カードを切ることで、試合を終わらせようと考えていたと鬼木達監督は話した。
ACLグループリーグ第3節。韓国蔚山対川崎フロンターレの試合は0-0のままアディショナルタイムを迎えようとしていた。そこで鬼木監督は、3人目の交代カードを使おうとしていた。しかしその瞬間、蔚山のキム・テファンが右サイドからペナルティーエリアへパスを送り、それに反応したキム・スアンがGKと交錯しながらヘディングしたボールがゴールネットを揺らした。
このままではアウェーで勝ち点を得られない川崎は、試合を終わらせるどころか、点を奪いにいかなくてはならなくなった。しかし、残り時間はわずか1分。長谷川竜也に代えて知念慶を送り出したが、試合はそのまま終了した。
3月6日のACL上海戦(89分に失点し0-1で敗戦)、Jリーグの横浜FM戦(95分に失点し2-2に)、ガンバ大阪戦(91分に失点し0-1の敗戦)に続き、またしても終了間際に失点し、勝ち点を失った。
勝ち点3を狙い、リスクを冒して攻めた結果の失点ならば戦って散ったと思えるかもしれない。しかし勝ち点1を拾いにいって失った点だからこそ、切なさが募る。
らしさが陰をひそめていた川崎。
4月5日のC大阪戦からスタメン7人を入れ替えた川崎は、立ち上がりから積極的にシュートを打つなど試合の主導権を握っていたが、パスを繋ぐ川崎らしい攻めではなく、シンプルなクロスボールやミドルシュートなどが目を引いた。
「監督からも、中に(小林)悠さんと(レアンドロ・)ダミアンがいるので、細かくやるよりはクロスを入れて、ふたりの強さと高さを活かすほうがいいと言われていた」と長谷川竜也は振り返る。