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川崎がACLでも終盤の失点で……。
「今日に始まったことじゃない」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2019/04/11 11:40
Jリーグは連覇しても、ACLでは苦戦が続く川崎フロンターレ。この苦境を覆すことができるか。
この敗戦を無駄にしてはいけない。
組織としてのサッカーができなかった。それは攻撃面だけの話ではなく、守備でも同様のことが起きていたに違いない。個人個人の頑張りだけでは、サッカーは成立しない。選手同士を繋ぐ戦術や共通理解が組織力となる。その部分が弱ければ、ひとつひとつのプレーでの無理が積み重なり、亀裂を起こしたときに失点が生じるのだろう。
長谷川は守備の課題をこう語る。
「あの失点の場面だけじゃなく、いろんな場面で防ぎようは絶対にあった。右サイドの選手がドリブルしてくるのであれば、サイドバックのカバーをしながら、いかにドリブルさせないか。本来は自分が戻れればいいですけど、全部が全部というわけにもいかない。ボランチに助けてもらうこともある。あそこでずっと1対1にさせていたのが問題だったと思います」
ピッチで辛酸をなめたからこそ、熱い想いが生まれたように感じた。そんな長谷川同様に小林もまた気づきがあった。
「すごく、もどかしさのあった試合だった。自分の良さが全然出せなかったのは、もちろん僕にも責任はあると思います。でも僕だけじゃなく、前線としていい攻撃ができなかったので、出ているメンバーのなかでどう自分を活かしていくかっていうのを試行錯誤しなくちゃいけないと感じました」
普段、なかなか出場機会に恵まれない選手たちが悔しさを味わった。危機感の共有がチーム力を高めるきっかけになれば、この敗戦も無駄ではない。