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つなぎたい森保ジャパンのGK問題。
東口・シュミット・中村の足元比較。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJFA/AFLO
posted2019/03/22 11:30
Jリーグでも外国人を起用するクラブが増え、GKの層は薄い。(左から)東口、中村、シュミットへの期待は高い。
では、今回招集された3人はどうか。
では、キリンチャレンジカップに招集された東口順昭、シュミット・ダニエル、中村航輔はどうだろう。彼らは所属するクラブで、ボールのつなぎにどれぐらい関わっているのか。
ガンバ大阪の東口は、一般的な範囲内といったところだ。宮本恒靖監督が統べるガンバは、自分たちでボールを保持するスタイルを志向していると映る。そのなかで東口は、バックパスをシンプルにつないでいる。
ベガルタ仙台のシュミット・ダニエルは、足元でのボール処理を特徴としている。昨年11月のベネズエラ戦で国際Aマッチデビューを飾った試合後には、森保監督も27歳の守護神のプレースタイルに触れた。
「彼に求めるプレーのひとつに、足元を使ったビルドアップがあります。落ち着いていいチャレンジをしてくれました。プレッシャーを回避して前線へ当ててビッグチャンスにつながったりと、いい指針になるプレーが多かったと思います」
足元を使ったプレーは、ベガルタでもスムーズだ。相手のプレッシャーを受けても、慌てることなくDFへパスをつないでいる。シュミット・ダニエルをビルドアップに参加させることが、チーム戦術に組み込まれていることがうかがえるのだ。ビルドアップの能力に対する信頼感は高い。
J2ながら中村航輔の技術は確か。
東口とシュミット・ダニエルがJ1でプレーしているのに対して、中村航輔は今シーズンからJ2で戦っている。所属する柏レイソルは開幕から4連勝と好調で、すでに実力的には抜きん出ているとの声が高まっている。
スコア的には僅差のゲームでも、レイソルが主導権を握る試合は多い。クリスティアーノ、オルンガ、瀬川佑輔らのアタッカー陣は、ラフなボールでも収められる強さや速さを持つ。ビルドアップに詰まった局面での選択肢として、GKまでボールを下げることが最優先にならないのだ。中村が足元でボールを処理する機会は、必然的に限られたものとなっている。
もっとも、足元の技術にも見どころはある。これまでクローズアップされていないだけで、DFと連係したボールを動かしていくことは十分に可能だ。