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産休から復帰した竹下佳江の挑戦。
「怒るより響くことを言う」監督術。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2019/03/06 17:00
地元姫路での今季最終戦はGSS東京に3-0とストレート勝利。竹下監督を始め、悲願のV1昇格に向け気を引き締める。
V1参入に向け、徐々に戦力も充実。
V2に参入する今季に向け、昨年は新卒で4人の選手を獲得したほか、V1のJTマーヴェラスから移籍した金杉由香やブラジル出身のスエレ・オリヴェイラを補強した。
レギュラーラウンドでは新人のミドルブロッカー吉岡可奈がアタック決定率、サーブ効果率でリーグトップに立つ活躍を見せた。リーグ途中からは内定選手も加わり、ユニバーシアード代表候補のアウトサイド貞包里穂は、すでにレギュラーとして起用されている。
今年の内定選手には、4年前に高校三冠(インターハイ、国体、春高バレー)を達成した金蘭会高校の司令塔だった堀込奈央もいる。竹下監督と似て、身長158cmと小柄だが、正確かつクレバーなトスで攻撃陣を操り、主将としても抜群のキャプテンシーを発揮していた。
バレーは大学で終えるつもりだったが、昨年、姫路のトライアウトの話を聞き、チャレンジすることを決めた。まだチームに合流して間もないが、堀込は目を輝かせながら言う。
「竹下さんは、身長が小さくてもバレーができるというのを一番教えてくれた人。これまで技術的なことはほとんど独学だったんですけど、今は竹下さんに手の使い方など技術を教えてもらって、『あ、そんな技があるんやな』と実感しています。今からどうやってうまくなろうかなとワクワクしています」
セカンドキャリアのサポートも。
これまでは、チーム発足時からのメンバー河合由貴、片下恭子、筒井視穂子の3人や、高木理江、浅津ゆうこといったV1リーグ経験者がチームを支えてきたが、それを受け継ぐ選手たちが着々と加わってきている。
ただ、加わる選手がいれば、退団する選手もいる。プロチームとして、姫路はそうした選手たちのセカンドキャリアをサポートする準備も進めている。
これまでも退団する選手には個別に就職先を紹介するなどしてきたが、今後は地元の企業の協力を得て、システムとして構築していく予定だ。