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イランは最強だがトルシエは楽観。
「日本にはまだまだ余力がある」 

text by

田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/01/28 11:30

イランは最強だがトルシエは楽観。「日本にはまだまだ余力がある」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ベトナム戦で復帰を果たした大迫勇也と、今大会でも安定感の高いプレーを見せる酒井宏樹。イラン戦でも活躍を期待したい2人だ。

若い攻撃陣は未熟だが。

 敗れはしたが、試合終了まで頭を下げることはなかった。ベトナムは、未来への希望を抱きながら、胸を張ってUAEを去る。フル代表では過去に1度も世界大会出場の経験がないベトナムだが、2020年東京五輪と2022年カタールワールドカップへの可能性が広がったのは間違いない。

 それでは日本はどうだったか。

 森保ジャパンには、ふたつの異なるイメージがある。ワールドカップ代表を中心に構成された経験豊かなディフェンスラインと、国際経験に乏しい若い攻撃陣。そしてベトナム戦でも後者は未熟さを露呈し、プレーで効果的なチャンスを作り出すことができなかった。

 とはいえ私は森保一監督を批判するつもりはない。彼は未来に向けてチームを準備し、そのために働いているからだ。しかもひとつひとつ目の前の課題をクリアしながら。

疲労を最小限に抑えている。

 まず日本はベトナム戦に勝利した。つまり最低限の結果は得たわけだ。それから大会そのものに関しても、ノルマは達成したように私には思える。たしかに目標は5度目のアジアカップ優勝だが、この若いチームがベスト4に到達したことはひとつの成功といえるからだ。

 試合内容を顧みても日本は勝利に値した。コンフオンにディフェンスが切り裂かれるシーンがあったとはいえ、日本の技術的優位は明らかだった。

 ここまで日本は一歩一歩着実に歩みを進めている。日程のきつさも負担になってはいない。必要最小限の勝利を得ながら、フィジカル・メンタル両面の疲労を最小限に抑えているからだ。

 戦い方も柔軟だ。サウジアラビア戦は、相手に完全に支配されながらも守備に専念して十分に戦い抜いた。逆にグループリーグでは、自分たちがゲームを支配しながら相手に揺さぶりをかけた。逆転勝利も2度あった。守る立場であれ攻める立場であれ、どんな状況にも対応できることをこれまでの戦いで日本は証明した。そして最終的に勝利者になった。

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