“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高橋壱晟、郷家友太、檀崎竜孔……
青森山田「7番→10番」、強者の系譜。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/01/21 17:30
全国高校サッカー選手権での決勝戦でも躍動した檀崎竜孔。青森山田の伝統は、確実に受け継がれた。
そして2018年の10番は檀崎に。
檀崎個人のプレーが、俄然生きるようになっていった。
プレミアリーグイーストでは惜しくも3位に終わったが、郷家は檀崎のアシストもあり得点ランキングトップの9ゴールを叩き出し、檀崎もまたランキング10位タイの5得点を挙げたのだ。
そして2018年度、ヴィッセル神戸に加入した郷家の後を引き継いで、檀崎は10番を背負うことになった。
「7番をもらったときに、『プレーをしっかりと見せないと10番はもらえない』と思い、来年10番になるために必死でプレーをしてきたので、ちょっとだけホッとしましたが、『10番になったからOK』というわけではありませんでした。
1年目に壱晟さんを見て、2年目で友太を見て、やっぱりあの2人はチームが苦しいときに身体を張ったり、チームのために結果で答えを出していたので、『このチームが勝つためには僕が点を獲らないと、アシストしないといけない』という気持ちが強くなったんです」
「『アイツ変わったな』と思いましたね」
左サイドハーフというポジションは変わらなかったが、ドリブルで仕掛ける事が多かった昨年から、シンプルに周りにはたいてから、ゴール前のスペースに走り込んでワンタッチでクロスに合わせるプレーが格段に増えた。ボールが逆サイドにある時でも足が止まることがなくなった。
結果、檀崎はプレミアリーグイーストで7番時代の3倍以上となる16ゴールをマーク。チームは2位に終わったが、2年連続で青森山田の10番がプレミアリーグイースト得点王となった。そして北海道コンサドーレ札幌入りも決まり、「7番→10番→プロ」の伝統も引き継がれることとなった。
この檀崎の活躍に、プロ1年目でレギュラーを獲得するなど輝かしいシーズンを過ごしていた郷家も、目を細める。
「(檀崎は)2年の時は縦に仕掛けてクロスが多かったけど、今はゴール前の良い所に入り込んでいたり、クロスに合わせる側に回ることが多くなった。逆サイドにボールがある時に中央よりにポジションを取って、そこからゴール前にスプリントしてスペースに潜り込んでゴール……。これって僕がずっとやりたかったことだったんです(笑)。ちょっと羨ましいのと、『アイツ変わったな』と思いましたね」