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ドジャースの世界一“まさかの3番手”予想「大谷翔平がいて勝率メジャー1位」なのになぜ厳しい? 米名物記者が本音で語る「投手力は疑問だらけ」
posted2024/10/01 17:00
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
JIJI PRESS
ドジャースと大谷翔平が悲願のワールドシリーズ制覇を目指すポストシーズンがいよいよ始まる。ドジャースは3年連続、この12年間で11度目のナ・リーグ地区優勝を果たし、12年連続でのポストシーズンとなる。しかも両リーグ最高勝率だったことで、今年のポストシーズンはワールドシリーズの最後までホームフィールドアドバンテージ(多くの試合を本拠地で戦える権利)を獲得している。状況は有利だ。
だが長年メジャーを取材しニューヨーク・タイムズ紙などで活躍しているベテランのスコット・ミラー記者に聞いてみると、厳しい答えが返ってきた。
状況は有利も…「投手力は疑問だらけ」
「ドジャースが頂点に立てるかというと、実現するのは並大抵のことではないだろう。特に、今の投手力は疑問だらけというしかない」
実際、米野球データサイト「ファングラフス」が現地9月29日に更新した今季ポストシーズンのワールドシリーズ制覇達成オッズでは、ドジャースの確率が16.3%で、17.4%のフィリーズ、16.5%のヤンキースに次ぐ3位にランクされていた。
ロサンゼルス・タイムズ紙のビル・シャイキン記者は9月25日付の電子版記事で「このチームの投手で6イニングを投げられる者は誰かいるのか?」とタイトルを打ち、次のように疑問を呈している。
「10月の戦いでは、先発投手には6回を投げてもらいたい。そう見積もるのは非現実的なことではないだろう。だがドジャースは今、ポストシーズン15試合連続で先発投手が6回もたない状況が続いている。先発投手全員が6回以上を投げる必要はないが、少なくとも6回以上を投げられる投手が1人はいなければ、ポストシーズンを最後まで勝ち抜くことは想像し難い」
苦しい投手陣…その内情
ドジャースは今季、投手陣のケガ人が続出し厳しい状況が続いている。レギュラーシーズン中、オープナーやブルペンデーのようなリリーフ投手が先発するケースを除くと11人が先発に起用されたが、このうち20試合以上を投げた投手がタイラー・グラスノーとギャビン・ストーン、7月にトレードで加入したジャック・フラーティの3人。しかも3人のうちグラスノーとストーンはケガのためすでにシーズンを終了しポストシーズンは投げられない。左足親指を痛め負傷者リスト入りしているベテラン左腕クレイトン・カーショーはポストシーズン中の復帰を目指しているが、少なくとも10月前半は出場が難しいとみられている。