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メジャーで守備シフト制限の議論。
戦術に対処してこそ知恵比べでは。 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2018/12/24 11:30

メジャーで守備シフト制限の議論。戦術に対処してこそ知恵比べでは。<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平も“大谷シフト”を敷かれるなど、かつての奇策は、一般的な戦術の1つになった。

ドジャースがシフト破り実践?

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、2年連続でワールドシリーズに敗れた反省も含め、シフト対策の必要性を口にする。

「選手たちが、逆方向へ打つ工夫をしたり、バントを転がしたりして、出塁することが重要であり、それができると信じている。攻撃面、思考面でも、我々は改良しなくてはいけない。もし、左サイドに1人の内野手しかおらず、1点リードされているのであれば、それ(シフト)を打ち破るためにチャレンジしていく」

 つまり、これからはチーム全体で「シフト破り」を実践していくという意思表明だった。すでに、コリー・シーガーや昨季新人王のコディ・ベリンジャーら若手の主軸打者と話し合い、来季からは逆方向への打撃を心がける方向性を確認するなど、オフ期間から準備を始めているという。

作戦に対処してこそ知恵比べ。

 戦略家として知られるブルワーズのクレイグ・カウンセル監督も、シフト制限には異論を唱える。

「シフトを禁止することが理にかなうとは思わない。それが野球界の発展につながるとは思わない」

 現場を預かる側にすれば、ルールで限定されるよりも、その場の感性や感覚を大事にしたいのだろう。敵の作戦に対処することこそ、知恵比べであり、腕の見せどころに違いない。

 2000年代初頭には、エンゼルスやホワイトソックスが世界一になった際、機動力を生かした「スモール・ベースボール」が脚光を浴びた時期があった。

「シフト破り」が広がれば、また球界の傾向も変化するに違いない。

 来季のメジャーでは、どんな戦術、戦略が流行するのだろうか。

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