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イチロー、マリナーズ本拠地への愛。
「当たり前にあることが本当に最高」

posted2018/12/25 08:00

 
イチロー、マリナーズ本拠地への愛。「当たり前にあることが本当に最高」<Number Web> photograph by Getty Images

2018年、トレーニングを続けてきたイチロー。45歳で迎える2019年開幕戦で再び勇姿が見られるか。

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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 マリナーズの本拠地として知られてきた「セーフコ・フィールド」が、1999年7月15日の開場以来、20年にも及ぶネーミングライツ契約を満了した。'20年1月1日からはその名を「Tモバイル・パーク」へと変える。

 近郊都市ベルビューに本社を置く「Tモバイル・US」は米国携帯電話市場で3位につける電気通信事業者。命名権料は年間350万ドル(約3億9千万円)の25年契約で総額は8750万ドル(約97億5000万円)になるという。

 20年前、地元シアトルに本社を置く保険会社「セーフコ」が契約した権料は20年で180万ドル(約2億円)だった。

 1年平均で9万ドル(約1000万円)と考えれば、相場は39倍にも膨れ上がった計算になる。今オフのFAの目玉、ブライス・ハーパー外野手(26)は10年総額5億ドル(約560億円)の攻防とも噂されるが、米国に於けるスポーツビジネスの世界は日本の規模とは比較にならない。わかりきった事実にあらためてため息をついた。

 その役目を終えた「セーフコ・フィールド」だが、日本の野球ファンには馴染みがとても深い。知名度では「ヤンキースタジアム」や「ドジャースタジアム」も高いが、この球場ほど長きに渡り日本人選手がプレーを続けてきた本拠地はない。

長年にわたり日本人がプレーした球場。

 '00年に入団した佐々木主浩に始まり、'18年シーズンまでの19年間、常に日本人選手がプレーを続けてきた。イチロー、長谷川滋利、木田優夫、城島健司、川崎宗則、岩隈久志、青木宣親。'99年にもマック鈴木がマリナーズに在籍していたが、6月末にカンザスシティー・ロイヤルズに移籍してしまった。

 もし、このトレードが1カ月遅れていれば、21年連続で通算9人の日本人選手がプレーをした球場となった。ちょっぴり残念なトリビア。おそらく、この21年間で最も多くの日本人ファンが訪れた球場であることは間違いない。

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