欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
酒井高徳がブンデス2部で新境地。
キャプテンは辞退しても立場は不変。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2018/12/01 11:00
ハンブルガーで奮闘する酒井高徳。日本代表引退後も、クラブでは主力としてプレーしている。
攻撃時は右SBからボランチに。
HSVは4-1-4-1のシステムで戦っていて、酒井は右サイドバックのポジションに入る。しかし、マイボールになると、中へとポジションを変えて、ボランチのような仕事も担っている。
左サイドバックは高いポジションをとるので、攻撃時は2バックのような状態に変わる。DFラインの裏を狙われるリスクもあるが、「許容できる範囲」だと酒井は言う。前線の選手の守備意識の高さが、相手のカウンター阻止に繋がっている。
守備時は基本的に右サイドに戻るが、奪われたボールをすぐ奪い返す際には、酒井が中央にいることが効いてくる。また中央のポジションをとることで、周囲へのコーチング量も増えた。
つまり酒井の戦術眼やバランス感覚がチームを動かしているのだ。ウニオン戦でも、中央でボールを受けた酒井のサイドチェンジが起点となってゴールが生まれている。サイドバックとしての能力だけでなく、ボランチとしての力も活かせているようだ。
初めて経験する2部の難しさ。
初めてのブンデスリーガ2部について、酒井はこう感じている。
「やっぱり1対1、フィジカルの部分が勝負となるリーグですね。それを武器にプレーしている選手が多い。だから安定感がなくて、順位通りの結果にならないんです。下位のチームが上位に勝つということも少なくない。
勢いがそのままピッチに出てくる。だから勢いに乗せてしまうと、下位であっても難しい相手になるんです。ウニオンも、ボカールでドルトムントとPK戦まで行ったチームだから」
そんな難しい相手との上位対決で引き分け、2位ケルンとのポイント差はわずか1ポイントしかない。