“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-20W杯出場権は得たけれど……。
サウジに完敗、有望株に見た甘さ。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byRobertus Pudyanto/Getty Images
posted2018/11/03 08:00
失った2点は、いずれも完全に崩されての失点だった。日本は完敗したのだ。
試合の主導権はずっとサウジ。
51分、中央でアルガシャヤンの強烈なシュートが、DFに当たってコースが変わるが、GK若原がファインセーブ。
55分、左右に振られて、最後は中央で再びアルガシャヤンが決定的なシュートを放つが、これは相手選手のミスに助けられた。
60分を過ぎると、ようやく日本の反撃が効力を発揮するようになり、67分に左サイドで久保が宮代とのワンツーで抜け出し、そのまま突破からシュートを放つが、角度が厳しく逆サイドへ流れていく。
79分には久保が左サイドからドリブルで仕掛けてシュート。だが、これも角度が厳しく逆サイドへ流れていった。
決定機がなかなか作り出せず、久保のサイドからの攻撃が単発で終わってしまう。時間だけがいたずらに過ぎていき、試合最終盤になってもサウジアラビアのパス回しの質も落ちず、最後まで日本を翻弄し続ける形となった。
試合は0-2のままタイムアップ。
韓国が待つファイナルのもう1つの椅子に座ったのは、サウジアラビアの方だった。
なぜ日本の体調はこんなに悪いのか?
この試合は中継でのチェックになってしまったが、画面上で見る限り、これまでの4戦と比べて対戦相手のレベルが高いことはもちろん、明らかに日本の選手のコンディションが良くなかった。
特に橋岡は左膝にガチガチのテーピングが巻かれており、立ち上がりからプレスが甘く、サウジアラビアに簡単に裏を取られてしまうシーンが目立った。
他の選手を見ても終盤は肩で息をしている選手が多く、サウジアラビアのパス回しにプレスが掛からず、さらに体力だけを消費する悪循環に陥ったように見えた。
そして勿論、攻撃の要である安部の不在も大きく響いた。