“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-20W杯出場権は得たけれど……。
サウジに完敗、有望株に見た甘さ。
posted2018/11/03 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Robertus Pudyanto/Getty Images
世界への切符を掴み獲り、次なる目標は2大会連続となる「アジア制覇」に切り替わったはずだった。
だが、U-20W杯出場を決めたインドネシア戦の次戦、準決勝のサウジアラビア戦で、その夢は潰えた。
U-19日本代表は、安部裕葵が所属する鹿島アントラーズでACL決勝に出場するため、藤本寛也が負傷により準々決勝を最後にチームから離れることになり、残り21人の選手で戦うことになった。
サウジアラビアとの準決勝では、影山雅永監督は準々決勝のインドネシア戦からスタメンを9人入れ替えて臨む戦略をとった。
日本は選手も戦術も大幅に変更!
この一戦、影山監督はメンバーを入れ替えただけでなく、「オプションとして持っておきたかった」と大会前から準備して、今大会でも試合終盤に用いていた3バックを、初めて試合スタートから採用した。
GKはこれまで唯一出番がなかった若原智哉を起用。最終ラインには橋岡大樹、瀬古歩夢、三國ケネディエブスと高さのある3枚を並べ、右に石原広教、左に荻原拓也のウィングバックを配置。ダブルボランチを山田康太と伊藤洋輝、前線は田川亨介を頂点に、右に原大智、左に滝裕太を並べる3-4-3の布陣を敷いた。
しかし立ち上がりから、サウジアラビアのスピードに乗った攻撃の前に守勢に回る時間が続いた。
日本は守備時5バックになって裏への飛び出しをケア。3トップの両サイドがハーフの位置まで下がって、5-4-1の形でサウジアラビアのアタッカー陣を封じにかかった。
サウジアラビアは勝ち上がりを見ると、中盤でボールを繋ぐことはできるが、最終ラインの突破は個の能力頼みで、シンプルに裏を狙ってくることが多いことを予測しての対応だった。