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大迫勇也はベルギー戦を忘れない。
「若手をコントロールする」自覚。 

text by

了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/10/19 17:00

大迫勇也はベルギー戦を忘れない。「若手をコントロールする」自覚。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ウルグアイ戦でも抜群のポストプレーを見せ、自ら得点も挙げた大迫。その言葉には説得力がある。

気になった試合の終わらせ方。

 前線でボールを落ち着かせるとともに、連係面で向上の余地があると捉えているのだろう。そして、ロシアW杯を踏まえてか、こうも言う。

「4-2になってからの試合の運び方というのは、ホントに良くなかった。あの辺で若い選手をうまくコントロールできるようにならないと。今は難しいところもあるけれど、勢いよくガンガンいってもらうのが一番。これを続けながら、経験ある選手がしっかりコントロールできれば良いかなと思いますね」

 2点をリードしながら、90分間で逆転を許して敗れたベルギー戦の悔しさを、大迫はきちんと覚えている。だから試合の終わらせ方が機になったのだ。

 もちろん、いきいきとプレーする若手の勢いを削ぐのは本意ではない。それが「難しいところ」ということだろう。

 だからこそ、大迫自身も1つレベルをあげて“若手をうまくコントロール”する必要が今後はある。もう長谷部誠ら経験のあるベテランはおらず、自ら引っ張っていく立場になった。そんな覚悟を感じる。

浮かれてる場合じゃないので。

 とはいえ、新生日本代表チームの印象は悪くない。

「すごくいいですよ、やってて楽しいですし。両サイドバックの長友(佑都)さんと(酒井)宏樹が、しっかりそこでバランスとってくれているからこそ、(2列目の)両サイドは積極的にいけてる。

 だから、しっかりと足元を見つめてやらないと。今日は全員が良いコンディションで臨めたからこその試合だったと思うし、冷静に分析して次に臨むことが大事かなと。浮かれてる場合じゃないので。ただの親善試合1つなので」

 何度も、浮き足立たないようにと強調した。ロシアW杯の記憶を強く留め、あえて口にする大迫のような存在を介して経験は後輩たちに継承されていく。今は自分のプレーに夢中な若手に、どれほどその思いが引き継がれていくか。

 それが今後、チームが成長していく鍵になるのだろう。

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