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フェンシング協会がビズリーチで
副業兼業限定の人材を募集する理由。 

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posted2018/10/04 19:00

フェンシング協会がビズリーチで副業兼業限定の人材を募集する理由。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

ビズリーチ・南社長とフェンシング協会・太田会長は、日本における新しい未来の働き方を提示している。

スポーツ界の外側にいる人を。

 そうやって課題が可視化されたことで、私も問題意識を共有することができました。そして、「この課題解決は、さほど難しいものではない」と思えたのです。

 カギとなるのは、スポーツという文化の持つ大きな魅力です。それこそ私は学生時代にサッカーをずっとやっていましたが、あの頃は部活動費を自分で払ってまで、夏休みに50メートルダッシュを40本やっていたわけです。何でそんな苦しいことをやっていたのかといえば、それだけの魅力がスポーツにあったから、としかいいようがない。

 その魅力は、スポーツ界内部にいる人よりも、外側にいる人の方が、より感じていたりするものなのです。ならば、大人となり、ビジネスパーソンとなった人たちの中に、今もなおスポーツに関わりたいと考えている人は必ずいるはずです。

 もっといえば、これからの時代の働き方は、仕事はもちろんしっかり取り組みつつも、仕事以外の時間をどう自分に投資していくか、自分自身が変わるために学び続けることが大切になってきます。学びの場は、読書だったり、異業種の人と会うことだったりとさまざまですが、その選択肢の中に、スポーツ団体の業務に関わる、というものがあってもいいし、それこそ報酬がなくとも関わってみたい人は、たくさんいると思うのです。

 やりたい人がいない、お金がない、そういう人たちへのアクセスができない、というのは、すべては認識の違いだけ。ならばそのギャップを、私たちの事業で、インターネットをはじめとしたテクノロジーの力で埋めていけば解決策を提供できるはずだ、と考えました。

「未来の新しい働き方」の実験。

太田 副業兼業での人材募集、というモデルについては、先行事例がありましたよね。

 広島県福山市のケースです。2017年11月、日本で初めて、市の戦略顧問を副業・兼業限定で公募しました。採用枠は当初1名だったのですが、応募人数はなんと395人。それも、投資ファンドのバリューアップ部門の方もいれば、製薬会社、映像関係会社の方など、そうそうたる経歴の方ばかり。

 全員採用したいくらいの状況のなかで最終的には5名の方を採用し、今年3月から月に4回程度、市長の掲げた公約実現のためのプロジェクトのマネジメント業務などについていただいています。この事例があったので、今回の仕組みに応用できると考えました。人がいない、というボトルネックをクリエイティブな形で解決すると同時に、「未来の新しい働き方」の実験もできるのではないか、と。

【次ページ】 財政的に苦しい状況があるから。

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