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新しい地図×土田和歌子、道下美里。
「“頑張って偉い”を超えて」

posted2018/10/04 11:30

 
新しい地図×土田和歌子、道下美里。「“頑張って偉い”を超えて」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

「新しい地図」が話を聞いた土田和歌子選手(左)と道下美里選手。パラ競技には知らない世界が山ほどある。

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Takuya Sugiyama

パラリンピックを盛り上げる「新しい地図」の3人がホストを務める新連載。
初回はパラメダリストである土田和歌子選手と道下美里選手を迎えた。
2年後に迫る東京大会を見据えつつ、パラスポーツならではの難しさと面白さ、
魅力を引き出す観戦方法などについて、5人が存分に語り尽くした。
Number960号(2018年8月30日発売)の連載第1回を、全文公開します!

香取 連載1回目のゲストは、パラリンピック・メダリストであり、それぞれの種目で世界記録をお持ちのスーパーアスリートのおふたりです。しかも土田選手はこれまでに7回もパラに出場している。どれだけ凄いんですか?(笑) しかも夏冬で違った競技で出場している。

土田 いえいえ。17歳の時に事故に遭って下肢に障害を負ったのですが、最初はアイススレッジというソリを使ったスケート競技に取り組み、リレハンメル、長野と冬季パラに出場したんです。ただ長野を最後にアイススレッジがパラ競技から外れてしまい、陸上の車いすマラソンに転向しました。競技が変わったことも、長年大舞台に出続けられている理由かもしれません。

草なぎ でも次の東京はトライアスロンで代表を狙っているんですよね?

土田 はい。実はリオの後、運動性の喘息を発症してしまい治療の一環で水泳を始めたんですが、これが楽しくて! 陸上は長くやっていたし、水泳を強化すればパラリンピックにもいけるのではないか、と欲を出して、昨年転向しました。スイム750m、バイク20km、ラン5kmで競います。

気づくと1km流されていることも。

稲垣 トライアスロンは素人から見ると未知の世界です。泳ぐ、漕ぐ、走るを一緒にやるって超人的ですよね。転向してから時間が経っていないのに、すでに国際大会でも優勝していて……僕には想像のつかないような努力をされているはずです。

土田 最初は苦労しました。私は脚を動かせないので水に浮くことすら難しくて。しかもレースは海の潮の状況によっては気がつくと1km流されていることもあります。

草なぎ 土田選手は僕と稲垣くんと同世代ですよね。僕自身、40歳を過ぎたあたりから体力がガクッと落ちたのを実感しています。ジムでも昔は5kmを20分で走れていたのに、今は30分もかかっちゃうし、集中力も年々続かなくなってきている。そうなると失うものばかりに目がいきがちで、昔ならできたバク転、もうできないな……とか後ろ向きになってしまうので、この年齢で新たな競技に挑戦するのは本当にすごいです。

土田 ただ、怖い思いをしたこともありますよ。昨年オランダで行われた世界選手権では、水温が17度と経験したことのない低さだったんです。身体がその温度に適応できなくて、スタート前に過呼吸を起こし、棄権せざるをえなかった。でも今はそういった未知の経験をすることで、まだまだ自分が強くなる可能性を感じています。

【次ページ】 風を切って走る感覚が最高で。

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