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幼稚園児のようにボールを追う、
ライプツィヒとラングニック哲学。 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2018/09/07 08:00

幼稚園児のようにボールを追う、ライプツィヒとラングニック哲学。<Number Web> photograph by Getty Images

2018-19シーズンは1分け1敗スタートのライプツィヒ。しかし今季もラングニック監督のもとで走るサッカーを極めるはずだ。

来季からナーゲルスマン就任だが。

 その証拠に、ライプツィヒの選手補強のメインターゲットは、17歳から23歳の選手に絞られています。他のビッグクラブなどで実績を上げた選手には経験値という名の習慣が身についていますが、若く将来性のある選手はスポンジのような素材で、ラングニックの特殊なサッカーを吸収できる余地があるという判断に基づいているそうです。

 そんなラングニックは、ライプツィヒのSDに専念した2015-16シーズンに兼任の形で監督の座に就いてクラブを2部からブンデスリーガへ昇格させたのですが、その後はSD職に専念して昨季まではラルフ・ハーゼンヒュットル監督がチームを率いていました。

 しかし、今季は契約延長の交渉がまとまらず、ハーゼンヒュットル監督が去りました。実は、これには他にも理由があり、ライプツィヒはかねてからホッフェンハイムを率いる若手指揮官ユリアン・ナーゲルスマンに指揮官就任の打診をしており、2019-20シーズンから彼が指揮を執ることに決まっていました。

 未来の契約を今の時点で発表するのはなんともヨーロッパ的ですが(ニコ・コバチ監督のバイエルン、レアル・マドリーのフレン・ロペテギ監督然り……)、違約金を払って新進気鋭の監督を迎え入れることになったライプツィヒは、今季1年を他の監督で乗り切らねばならなくなったのです。

ホッフェンハイム時代と真逆に。

 ライプツィヒのスタイルはラングニックの理念、思想、志向が凝縮されたもので、実際、ハーゼンヒュットル前監督もチーム作りにおいて、ラングニックら首脳陣と協力して構築を進めていました。

 つまり、1年限りではあるものの、ライプツィヒの指揮官は「ラングニック式フットボール」に順応できる人物でなければならない――。その結果、今季は“総大将”であるラングニックが再び表舞台へと打って出ることになったのです。

 さて、ラングニックが率いる今季のライプツィヒは、強烈な「パワーフットボール」を展開しています。そして、ここが肝なのですが、彼らが見せるサッカーは以前僕が衝撃を受けたホッフェンハイム時代とはある意味真逆な、それでいて斬新極まりないスタイルと言えるのです。

【次ページ】 「サードボール」という新概念。

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