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アーセナルでエメリが探す新布陣。
ガードは不安でも4-3-3が最適か。
posted2018/09/07 17:00
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Uniphoto press
マンチェスター・シティとチェルシーに敗れ、ウェストハムとカーディフには勝利を収めた。第4節を終えて2勝2敗。新生アーセナルはまずまずのスタートだ。よくもなければ、絶望的になるほど悪くもない。
4試合とも守りの脆さが目立ったものの、それはアーセン・ベンゲル前監督が22年にわたって手をつけなかった懸案である。新任ウナイ・エメリ監督が、一朝一夕にして解決できる問題ではない。
ただ、メンバーは一考する必要がある。
バレンシア、セビージャ、パリSGと、エメリは最後方から丁寧につなぐスタイルを身上としてきた。だが、GKペトル・チェフにビルドアップのセンスはない。しかも、昨シーズンから足の運びが悪くなり、守備範囲もすっかり狭くなった。明らかに衰えている。
なぜ、ベルント・レノを起用しないのだろうか。シュートストップでチェフを上まわり、つなぐ技術も申し分ないのだから、すぐにでも正GKを交代すべきだ。
マブロパノスを抜擢してみては?
シュコドゥラン・ムスタフィ、ソクラティス・パパスタソプーロスは、つなげるCBではない。両選手ともプレスをかけられるとおどおどし、タッチに逃げるか、マークされている味方に無責任なパスを送るかの二択である。
せっかくの新チームなのだから、思い切った人選を試みてはどうだろうか。コンスタンティノス・マブロパノスである。21歳の有望株で、フィードに定評がある。昨シーズン第37節のレスター戦で一発退場の愚を犯しているため、今シーズンはベンチ入りさえできていないとはいえ、エメリのスタイルに適しているはずのCBだ。
アキレス腱を負傷しているローラン・コシェルニーは、11月まで復帰できない。だからこそエメリは、やむをえずムスタフィとソクラティスを優先せざるをえなかった。
まして後者は、強化部門の責任者であるズベン・ミズリンタットが獲得している。無益な争いはまだ避けたい。しかし、自分のスタイルにこだわるのであれば、将来性も含めてマブロパノスを抜擢すべきだ。