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幼稚園児のようにボールを追う、
ライプツィヒとラングニック哲学。

posted2018/09/07 08:00

 
幼稚園児のようにボールを追う、ライプツィヒとラングニック哲学。<Number Web> photograph by Getty Images

2018-19シーズンは1分け1敗スタートのライプツィヒ。しかし今季もラングニック監督のもとで走るサッカーを極めるはずだ。

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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Getty Images

 2018-19シーズンのドイツ・ブンデスリーガが遂に開幕しました。今季も昨季と同じく金曜、土曜、日曜の分散開催。8月24日に王者バイエルン対ホッフェンハイムのゲームで開幕し、第2節終了時点で早くもバイエルンがトップに立っています。

 今季、僕が注目するのはRBライプツィヒです。目下、2節を終えて18チーム中14位。第1節のアウェー、ドルトムント戦で壮絶な逆転負けを喫し、ホーム開幕戦の第2節では昇格組のデュッセルドルフに先制を許しながら辛くも追いついてドロー。そんな、至って凡庸な成績に留まるチームに着目する理由は、僕のサッカー取材人生の中で大きな影響、衝撃を受けたラルフ・ラングニック氏が監督をしているからです。

 僕が初めてラングニック監督のサッカーを目にしたのは、2006年から2011年まで指揮を執ったホッフェンハイムが、当時クラブ史上最高のブンデスリーガ7位に入った2008-09シーズンです。対戦相手は失念しましたが、その試合で観たホッフェンハイムのスーパーカウンターが目に焼き付いて離れないのです。

衝撃的な超ロングカウンター。

 自陣でバックラインの選手がボールを保持した瞬間、一斉に味方の攻撃陣が相手陣内へ駆け出すも、ボール保持者はなかなかパスを繰り出しません。相手プレスに遭いながらも巧みにそれをかわしますが、前へボールを蹴り込む気配がないのです。

 意図が分からず困惑した僕は「あーあ、攻撃陣は走り損かぁ」なんて思っていたのですが、味方のひとりがシュートを放てるエリアへ到達した瞬間、ボールホルダーが約70mの高速フィードを繰り出したのです。

 前線で“その瞬間”を待ち構えていた攻撃者は、1mmも移動せずに右足でズドン。試合後にラングニック監督が語った言葉が忘れられません。

「あのカウンターは意図的なものだ。バスケットボールで、誰も手が届かないスペースへボールを投げ入れる選手はいないだろう。良いパスというのは、相手ゴールを狙いやすい位置にいる味方にピンポイントで渡すものを指す。我々は、そんなプレーを目指している」

【次ページ】 キラーパスで味方を殺してはダメ。

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