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代表選手を魅了するドリブル理論。
岡部将和がサッカーに革命を起こす。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byShinya Kizaki

posted2018/09/01 08:00

代表選手を魅了するドリブル理論。岡部将和がサッカーに革命を起こす。<Number Web> photograph by Shinya Kizaki

岡部将和氏は大学まではサッカーに打ち込み、その後フットサルを経てドリブルデザイナーとなった。

蹴ってから動くのではなく。

「このとき大事なのは、ボールを前へ蹴ってから走るのではなく、走り始めた足にボールを引っ掛ける感じでスタートを切ること。蹴ってから動くのではなく、走る動作に組み込むイメージ。相手は反転してから走るので、絶対に勝つことができます」

 この「絶対に勝てる距離と角度」について、わかりやすく実演されているのが2011年女子W杯優勝メンバーの大野忍に伝えているYouTube動画だ。(https://www.youtube.com/watch?v=uZHDAMkP6FA)

 大野が「相手に近ければ近いほど、抜けるという感覚でした」と語ったのに対し、岡部はこうアドバイスした。

「もちろんメッシやネイマールも近づいて抜くドリブルをやっているんですが、それだと相手に読まれると抜くことができない。一方、自分が絶対に勝てる場所を知っておくと、相手の動きの矢印が自分と同じ方向に向いていても勝てる。相手に気づかせないように自分が動いて、いかにその距離と角度を作るか。パスを出すフリをして、相手を移動させるのも手です」

 こうやって縦の突破力が増すと、中へのカットインも有効になる。縦へ圧力がかかると相手は後ずさりしながら守り、横方向のステップが遅れるからだ。

 縦の突破を基本にして、相手がそれを警戒したら中へカットイン――これが岡部のドリブルの基本だ。より詳しくは、noteで販売されている「『99%抜けるドリブル理論』ロジック編全18巻SET」に書かれている。

乾も悩んでいた、縦と内の駆け引き。

 乾貴士が感じていた課題も、まさにこの「縦とカットインの駆け引き」だった。今年3月、岡部はスペインで乾をサポートする機会に恵まれた。

「乾選手はもともと素晴らしいドリブルを持っていて、仕掛ける量は世界的に見ても多い選手だと思います。ただ、乾選手に何に悩んでいるのかを聞いたら、中を切られたときに縦が行きづらいと言っていた。そこで縦のドリブルを伝えさせて頂きました」

【次ページ】 言語化することで分析が可能になる。

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