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青山敏弘って「チルドレン」なの?
森保監督との年齢差的にはむしろ……。
posted2018/08/31 11:40
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
J.LEAGUE
自分が教えた選手のことを「教え子」などと言いますが、その教えによって才を伸ばし、重用していく選手は「愛弟子」とか「子飼い」と段々と強い表現になっていきますよね。「秘蔵っ子」なんぞ、その指導者が手塩にかけて育てたニュアンスが伝わってきますが。
サッカーの世界では「教え子」も「子飼い」も「秘蔵っ子」も広~い意味で「チルドレン」という言葉がよく使われております。ただサッカーは後発になりますか。
2005年、郵政民営化を争点にした衆議院選挙で当選した刺客議員が「小泉チルドレン」と呼ばれました。その年、プロ野球ではボビー・バレンタイン監督率いる千葉ロッテマリーンズが31年ぶりに日本一となって西岡剛選手、今江敏晃(現・年晶)選手らは「ボビーチルドレン」と称されました。
オシム、森保監督の共通点。
同時にサッカー界にも持ち込まれました。「オシムチルドレン」です。
イビチャ・オシム監督のジェフユナイテッド千葉がこの年、ヤマザキナビスコカップを制し、Jリーグで初タイトルを獲得します。マリーンズとジェフ、同じ千葉で「チルドレン」が広がったのは面白いですよね。
阿部勇樹選手、巻誠一郎選手、羽生直剛選手らオシム監督のもと成長を遂げた選手たちはそう呼ばれ、2006年のドイツワールドカップ後に日本代表監督に就任したオシム監督のもとでジェフ勢が次々に招集されていきます。羽生選手や佐藤勇人選手、山岸智選手らがA代表デビューを果たしました。
前段が長くなって恐縮ですが、サッカー界では今も「チルドレン」という言葉は使われます。森保一監督が東京五輪代表と兼任してA代表を率いることになりました。
初陣となるチリ戦(9月7日、札幌ドーム)、コスタリカ戦(11日、パナソニックスタジアム吹田)のメンバーが発表され、サンフレッチェ広島時代に指導した青山敏弘選手、佐々木翔選手(初招集)、浅野拓磨選手が名を連ねました。早速「森保チルドレン」と表現しているメディアも出ています。