サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ロシア大会を褒められると心が痛む。
岡崎慎司の目標は、36歳でW杯。
posted2018/08/23 11:00
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
ワールドカップが終わり、1カ月あまりが経った。欧州各国リーグも次々と新シーズンを迎えている。
そんななか、プレミアリーグも開幕したが、岡崎慎司は戦線に復帰していない。ワールドカップで痛めた怪我のリハビリは現在も続いている。
岡崎にとって3度目となったロシアW杯。3大会連続ゴールこそ達成できなかったが、グループリーグ3試合に出場した。特に第2戦のセネガル戦では、岡崎らしく前線で身体を張った。
本田圭佑の同点弾は、ゴール前中央で岡崎が相手選手ともどもつぶれたからこそ生まれた。
「『圭佑のゴールは、岡崎のゴールだよ』と周りに言われるたびに心が痛い。ほめてもらえるのはうれしいし、僕を励まそうと言ってくれているとは思うけど、同時にフォローされているような気がして……。自分が100%だったら、と何度も思ってしまう。『怪我を抱えながらも、よくやった』というこのままの印象で終わりたくない。だから、ロシア大会が終わったときに自然と『4年後やな』と思った。自分の挑戦はこれじゃ終われない」
大会後に短いオフを終えて日本を離れる7月下旬、岡崎はそんなふうに語った。森保一新監督の就任が決まり、新たなスタートを切った日本代表が目指す4年後のカタール大会。岡崎は心機一転、次のワールドカップへの挑戦を心に誓った。
負傷を繰り返し、W杯でも……。
今年の岡崎は2月上旬に負傷離脱。一度は試合復帰したが、再び戦列を離れた。その間に就任した日本代表の西野朗監督(当時)は岡崎を信頼して、本大会メンバーに選出する。本番までに負傷が癒えるという確信を持ち、回復も進んでいたのだろう。
だが、6月12日のパラグアイ戦で岡崎はまたもや怪我を負った。指揮官はそれでも岡崎をメンバーに残し、大会初戦、第2戦と途中出場で投入した。
そして先発した第3戦のポーランド戦。岡崎にとって最大のチャンスは負傷交代に終わった。岡崎のワールドカップは実質この時点で終わっていたのかもしれない。