Jをめぐる冒険BACK NUMBER
若き森保J、6バック相手に困惑。
求めたい発想の転換とリーダー役。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAFLO
posted2018/08/15 12:20
先制点の起点となるパスを送った渡辺皓太(左)。彼らが常に状況に応じたプレーをできるかがアジア大会でのポイントとなりそうだ。
森保監督はシステムより柔軟性を強調。
「基本的にこれまでやってきたことを続けながら、状況を見て形を変えたほうがいいなら変えることもやっていきたい。選手にはシステムにこだわらず柔軟に対応すること、対応力という話をしている」
森保一監督はネパール戦後にそう語ったが、まさにこの試合こそ、システムにこだわらず柔軟に対応する姿勢が求められた。
むろん、8月11日の土曜日にJリーグを戦って翌日に移動し、中2日で大会初戦を迎えたため、コンディション的に厳しかったのは間違いない。
相手がルーズになってきた後半、上田綺世が迎えたいくつかの決定機をひとつでもモノにしていれば、3点目、4点目が入っていたかもしれない。大会初戦は堅いゲームになるものだから、勝点3を取れたことを、よし、とすべきだろう。
だが、森保監督が採用する3-4-2-1の可変システムは特徴がはっきりしているから、対戦相手に対策を練られやすいスタイルだということも確かだ。
「練習ができなくて、そういったところ(柔軟なシステム変更など)の落とし込みができなかったから、それぞれが試合の中に感じたことを表すしかなかった、というのが正直なところ。この先、相手がいろんな形でくるなら、自分たちも形を変えるのが大事になるし、これまでマンツーで来られると、ポジションを変えながら、ローテーションで回りながら相手を外すのも大事になってくると思います」
キャプテンマークを巻いた三好は次戦以降の課題について、そう語った。16日のパキスタン戦、19日のベトナム戦では、チームとして戦い方の幅を見せてほしい。そしてその際に、ピッチの上でリーダーシップを取れる選手の台頭を期待してやまない。