Jをめぐる冒険BACK NUMBER
森保U-21、過密日程でも快進撃。
自主性重視の西野流に似てる?
posted2018/08/17 12:15
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
AFLO
インドネシアで開催されているアジア大会のグループステージ、パキスタンとの第2戦は、1-0だった初戦のネパールから一転、4-0の大勝に終わった。
もっとも、この試合の価値は大量得点を奪ったことにあるのではなく、その内容と過程にある。
ロングフィードから裏1本、クロスから、前線のコンビネーションによる崩しから、ミドルシュートと、実に多彩な得点パターンだったのだ。
もちろん、ベトナムとの初戦にも0-3で敗れているように、パキスタンのレベルを考慮する必要はある。だが、日本だって万全な状態で大会に臨んでいるわけではない。
8月11日にJリーグを戦い、翌日に集合して軽いトレーニングののちにインドネシアへと出発。13日に軽めの調整をして14日にネパール戦。さらに15日も前日に出場しなかった選手7人だけのトレーニングにとどまっている。
つまり、戦術トレーニングなど1度たりともできていないのだ。
それなのに、なぜ、試合内容が一気に好転したのか――。
密なコミュニケーションで好転。
その理由のひとつに、徹底したコミュニケーションがある。
2分に生まれた先制ゴールは、3バックの右に入った岡崎慎(FC東京)がロングフィードを前線に送り、飛び出した岩崎悠人(京都サンガ)がGKの前でプッシュしたもの。この場面について、事前に狙っていたとおりだった、と岡崎は明かす。
「ネパール戦を悠人とジョギングしながら見ていて、シンプルに裏だったり、クロスだったりというのが結局なくて1-0で終わったので、そこは昨日からずっと話していた。今日もアップが終わったあとに、『対角線のところを意識しよう』と話していた」
あるいは、10分の3点目はゴール前の狭い局面で、前田大然(松本山雅)のパスを受けた旗手怜央(順天堂大)がキープして時間を作り、そのリターンパスを前田が決めたものだった。