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本田圭佑はW杯で先発すべきか。
本人に聞いた“ズレ”と守備強度。
posted2018/06/12 07:00
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
Takuya Sugiyama
思わず、耳を疑ってしまった一言である。
「圭佑は、かなり手応えというか、良かったんじゃないですかね」
現地時間8日に、スイス・ルガーノで行われた強化試合、スイス戦。0-2で日本が敗れた試合後の、西野朗監督の言葉である。
4-2-3-1のトップ下には、本田圭佑が入った。代表では4年前のブラジルW杯以来の、本職のポジションである。
率直に言って、本田のプレーは攻守ともに高い評価は与えられないものだった。何かをしようとしていた、その意図や意識はこちらに伝わる動きだった。しかし、出来、精度、そして結果と、どれも到底満足できるプレーではなかった。
直近2試合で見せた低調な出来。
W杯本番まで、時間がない。あえて、いやここではっきりさせなければならないことがある。
日本が勝つ確率を少しでも上げるために、ここで本田は先発から外すべきなのではないか。
なぜ、西野監督は本田をスターティングメンバーで使い続けているのか。先月30日のガーナ戦、そしてスイス戦と、西野体制になっての2試合で背番号4は先発出場している。
本番まで猶予がない一方で、新体制になって数えるほどしか試合ができないままW杯に突入しなければならない現実もある。だからこそ指揮官は組織の練度を高めたい思いと、選手を起用しては見極める考えの両方で揺れ動きながらチーム作りを進めなければならない。
その上で、直近2試合で本田を先発テストしたことは十分理解できる。
ただ、そこで本人が見せたのは、低調な出来だった。
西野監督は冒頭のコメントに続いて、本田についてこんなことも述べている。
「予想以上に動きも取れていたし、守備に入る意識、連動する意欲もあった」