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本田圭佑はW杯で先発すべきか。
本人に聞いた“ズレ”と守備強度。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/06/12 07:00
ガーナ、スイス戦と結果を残せなかった本田圭佑。3度目のW杯のピッチに立てるのか?
「自信を過信に変えていくぐらいに」
――その狙いは理解できるんだけど、あと10日でできるかどうかという肌感覚は?
「肌感覚でいうと、できると思っています。全部が全部できるわけではないですけど、まだまだこの10日間で精神的な準備、コミュニケーションを取ること、実際にピッチでの練習、パラグアイ戦もある。まだまだ良くなると思います。でもそれで良いと思っています。というのも、練習試合では計り知れない本番の緊張感があるので。僕の経験上、僕らが緊張感を持ってディフェンスでバタバタするのと一緒で、相手も結構バタバタするので。そういう意味ではコロンビアやポーランドやセネガルが落ち着いてやれるとも思わないし。
僕らも得点のチャンスはしっかり作っていけると思う。でも最後は、ボールを蹴る奴がゴールの枠の中に入れないと、やっぱり試合は勝てない。それはリラックスして自信を持ってシュートを打つ奴が本番に向けて、ここからは自信を過信に変えていくぐらいのフェーズだと思っているので。議論して、ネガティブなことも話しましたし、いろんなことをたくさん話してきましたけど、短期間の中で。ここからのフェーズは徐々にシビアな会話と、自信の融合がものすごく重要かなと思います」
交代カードとして出るイメージはある?
3人目の連係など細かなコンビネーションを、残り10日間で詰められると話した本田。自信を過信にという発言は、追い込まれた選手にとっては必要な精神性かもしれない。ただし、その言葉だけを担保にしてロシアW杯を戦うのは、博打でしかない。
さらに本田に聞いた。
――本田くんはW杯のグループリーグ3戦を勝ち抜く上で、本番では自分が交代カードとして出ていくイメージは持っている?
「もちろんそういうのも可能性としてはあるし。それに対応もできないと、ホントちょっとしたところで勝敗を分けるので。イメージはしていますね」
――本田くんよりも機動力のある選手が先発から出て、前からの守備でハメていく。そして後半から出てくると。
「もちろん僕がメンバーを決めるのではないので。ただ、選択肢としてはそういう戦い方もあるだろうなというのは、間違いなくメンバーを見ていても思うので。堅守速攻というか、前半と後半で90分間でのプラン。相手によってはそれを変えていってもいいと思う。
でも3試合あるので、全部同じメンツは無理なので。前回も前々回も交代したメンバーががんばっていることもあるし。まあ、負けていると常にこういうネガティブな議論がどうしても先行してしまうけど、それを1試合でひっくり返せる可能性は(W杯初戦の)19日がすべてだと思っているので」