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酒井高徳が口にした「最後は結果」。
ブンデス降格を経て得た力強さとは。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byAsami Enomoto
posted2018/05/29 07:00
SBが手薄な中、両SBをこなせるのが強み。バックアップの立場から結果を求めて、酒井高徳の奮闘は続く。
最後は結果、と痛いほど思い知った。
残留という結果は手にできなかったものの、酒井はいち早く来季もハンブルガーSVでプレーすると明言している。'15年にハンブルガーへ移籍して以降、毎シーズンのように残留争いを続ける中で、チームキャプテンとして信頼を集め、奮闘してきた。
降格という危機を前に戦う毎日には、自分自身の成長を促すチャンスは乏しかったに違いない。それでも、その日々を酒井は誇りに感じている。
「本当に、勝ち負け1つで人生が変わるようなシチュエーションを戦ってきました。その経験はW杯を戦う上で、少なからず活きると思います。どんなことを言っても、どんな毎日を過ごしても結局、大事なのは『最後』だから。メンバーに入ることもそうですけど、W杯でどういう自分の形跡を残せるかっていうのが、一番大事になってくると思う。
海外へ行ってプレーする中で、最後は結果が重要というのを痛いほど思い知ってきた。だから、たとえ現在の序列だとか、所属チームで出場機会が少なかったとかは関係なく、与えられたチャンスで結果を残せれば、何とでも言える。『いい準備ができた』とも言えるだろうし、逆にいい準備をしてきたとしても、結果がなければそれまでだから」
「100%、120%を出して戦う気持ちを」
酒井は強い口調で、こう続ける。
「本番で自分がやってきたことを発揮できるか? もちろんできないこともある。強い相手がいるし、独特な雰囲気がある。だけど、自分の力を発揮できる可能性を1%でも高くするための準備を4年間かけてやってきた。ニュアンスとして間違ってほしくないのは、もちろん結果だけじゃなく、その4年間には確実に意味がある。
それぞれ過ごしてきた時間は違う中で、結局最後はできたヤツ、できなかったヤツというのが、そのままのレッテルを貼られるだけだと思っている。そこをどれだけ自分が、肝に銘じてやれるかということだと思う。もちろん当日、その場所に立ったとき、100%、120%を出して戦う気持ちを持たなくちゃいけないのは大前提ですけれど」