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代表はいよいよ2トップを検討すべき。
大迫&岡崎、浅野、中島、武藤……。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2018/05/11 17:00
攻撃の軸になるだろう大迫勇也。所属するケルンでも2トップには慣れている。
起点を作りやすい2トップはどうだ?
ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督は4-3-3を基本として戦ってきたが、攻撃の矢印がタテに太い一方で、連動性には乏しかった。最前線でDFを背負ったCFがワンタッチでボールをさばき、リターンパスを受けるといったコンビネーションは例外的だった。
西野監督は「日本人の良さが出るシステムにしたい」と話している。4-3-3を踏襲するとしても、システムを変えるとしても、連動性や距離感は重要なファクターになってくるはずだ。
2トップはどうだろう。ふたりのストライカーを横並びにする4-4-2か、タテ関係の立ち位置をとる4-2-3-1に近い2トップかはともかくとして、前線の中央で起点を作りやすいようにするのだ。
ボールの収まりどころには守備側も人数を割かざるを得ないので、2トップにすることで相手を中央へ寄せてサイドへ展開し、ボランチやサイドバックの攻め上がりによってタッチライン際で数的優位を作る、といった攻撃のパターンを導き出すことができる。
大迫と岡崎の2トップは可能性を感じる。
ハリルホジッチ前監督は手をつけなかったが、大迫と岡崎慎司の2トップは可能性を感じさせる。ケルンで前線の軸となる27歳も、レスターでプレーする32歳も、所属クラブではトップ下のような役割を託されることがある。もちろん、最前線に張ることもできる。
W杯での戦いについて、西野監督は近しい関係者に「相手の1.5倍は走らなければいけない」と話しているという。攻撃だけでなく守備でもハードワークすることは大前提で、それだけに「コンディションが大事」と考えている。ゴールデンウィークにヨーロッパまで足を運んだのも、試合に常時出場していない選手のコンディションを確認することが主な目的だった。
一方で、63歳の指揮官は選手の使い分けも検討しているようだ。グループリーグの3試合にフル出場させるのはコンディション的にリスクがある選手でも、1試合目と3試合目の起用なら中8日になる。対戦相手のスカウティングにも基づいてスタメンを組み替えるなら、選択肢を増やすことは可能になる。