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高萩洋次郎と大島僚太が示す
西野ジャパン入りへの説得力。
posted2018/05/09 10:30
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
Getty Images
W杯出場は、言わずと知れたサッカー選手の夢。その本番まで残り2カ月を切ったいま。ハリルジャパンから急遽、西野ジャパンに衣替えした日本代表入りをかけた、し烈なアピール合戦が繰り広げられている。
先週末は日本国内や欧州で、代表入りを目指す選手の活躍が目立った。
激しいポジション競争が予想されるFWでは、ドイツで武藤嘉紀がマインツのブンデスリーガ1部残留を決めるゴールをヘディングで叩き込んだ。
また豪快なヘッドと言えば、磐田の川又堅碁も柏戦で相手DFとの駆け引きを制して決めた一撃が印象的だった。
さらには最近の活躍で待望論が湧き起こっている、札幌の大型FW都倉賢もオーバーヘッドを決めて、好調ぶりをアピール。また浦和の興梠慎三は先週水曜の川崎戦で2ゴールを挙げる充実ぶりを見せれば、その爆発的なスピードで攻守ともにフル回転するFC東京の永井謙佑も出色のプレーを継続している。
“多摩川クラシコ”での大島と高萩。
目移りするような前線の争い。そんな中、先週末はそのホットスポットではなく、あえて違うポジションを注視することにした。
それは、中盤。特に攻守両面で大きな役割が求められる、中央エリアのMF(ボランチ、トップ下、インサイドハーフ)において、面白い対決があった。
5月5日、こどもの日に行われたJ1第13節、川崎フロンターレ対FC東京戦。“多摩川クラシコ”と銘打たれる近隣同士の熱いダービーマッチには、互いの中盤にチームパフォーマンスを司る、まさしくキーマンが存在していた。
川崎の大島僚太と、FC東京の高萩洋次郎。ともにボール扱いに長けた、テクニックを第1の武器としているセントラルMFである。
両者を注視したのには、当然理由があった。