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弟や妹の方がスポーツで大成する?
テニス界での兄弟姉妹成功例を検証。
text by
今田望未Nozomi Imada
photograph byMotoo Naka/AFLO
posted2018/04/11 08:00
2017年の東レ・パンパシフィックOPで、ダブルスとしてプレーした大坂なおみとその姉の大坂まり。
弟や妹の方が大成しやすいのか?
様々なスポーツで「弟や妹の方が大成しやすい」という話を聞く。
一般的には指導者になった親が兄や姉への指導で失敗した部分をフィードバックしたり、弟や妹が年上のライバルの背中を追っていくことでいつの間にか追い越してしまったりといったケースがよく見られる。
ではテニスではどうだろうか。
事実を振り返ってみると少し違った傾向が出てきた。
兄弟姉妹には相乗効果がある!
確かにウィリアムズ姉妹は妹セリーナの方が獲得タイトル数などで上回っているし、ズベレフ兄弟も弟の方がより結果を出している。しかし、マリー兄弟は種目が違うし、マッケンロー兄弟やジョコビッチ兄弟は長男が歴史に残るほどの名選手になっている。ことテニスにおいては、どちらかに優位があるというわけではなさそうだ。
それとは別に面白い傾向が見られた。
ズベレフ兄弟では、弟サーシャが2016年に一気に大ブレークすると、けがで長きにわたりくすぶっていた兄ミーシャが2017年に復活。そのままの勢いをかって全豪でマリーに勝利してベスト8。実に8年ぶりに自己最高ランキングを更新した。さらにその4カ月後には弟サーシャがそれに応えるようにマスターズ1000のタイトルを手にした。
マリー兄弟も先述したように分野は違えど切磋琢磨して成績を伸ばしている。
その中でも象徴的だったのは2015年のこと。デビスカップのイギリス代表としてともに戦った2人は実にイギリスチームの12勝のうちなんと11勝を2人で挙げたのだ。準々決勝から決勝まではすべて兄弟ダブルスで世界の名だたるペアを撃破していき、イギリスに79年ぶりの栄光をもたらした。