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慶大ラグビー部主将、初の医学生。
古田京が実践する究極の文武両道。
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasataka Tara
posted2018/04/05 07:30
医学生ながら慶大ラグビー部主将を務める古田京。文武両道の最高峰アスリートと言えるだろう。
日吉グラウンドと信濃町キャンパスを往復。
慶大医学部では1年時が日吉キャンパス(神奈川)、2年生からは信濃町キャンパス(東京)だ。4年生の古田は現在、片道約1時間かかる日吉グラウンドと信濃町間を往復しながら、平日に埋まっている「ぜんぶが必修」(古田主将)の科目に励んでいる。
日吉グラウンドで行われる練習は朝と夜で、基本的に日中の授業は出席することができるという。いまは部員の授業に合わせて練習時間を変えるなど、勉学を支援する部の姿勢もあり、両立がしやすくなっている。
そもそも金沢HCが「現実的に医学部だけがきついわけじゃなくて、理工学部なども大変そうです」と言うように、部の協力が欠かせない状況が慶大にはある。学生たちも自主的に履修科目別の勉強会を開くなどして、工夫しながら両立を目指している。
勉強もするしラグビーのビデオも見る。
ただ、今季の古田には主将としての役割もあり、多忙な一人であることに変わりはない。
そんな古田が実践している勉強法のひとつは、時間の有効活用。高校から同期の田中主務は「非常に効率が良いです」と感心する。
「時間を無駄にしない。要領が良いんです。一緒に電車に乗っていた時、スマホで撮ったプリントを見たりもしていました」
もちろん強い精神力も必要だ。
「練習が終わって絶対にクタクタなはずなのに、古田の部屋に行ったら勉強をしていたこともあります。もちろんラグビーのビデオも観ています。本当にすごいな、と思います。どちらも100%でやっています」
古田主将は今季終了後、5歳から始めたラグビーにいったん終止符を打つことになる。医学部5年時から臨床実習が始まり、6年時には医師国家試験がある。その先には研修医としての生活が待つ。
「6年生を終えてからが、医者としては一番大変だと聞いています。一番大事な時期らしいです」