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慶大ラグビー部主将、初の医学生。
古田京が実践する究極の文武両道。
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byMasataka Tara
posted2018/04/05 07:30
医学生ながら慶大ラグビー部主将を務める古田京。文武両道の最高峰アスリートと言えるだろう。
みんなが自然とリーダー視していた。
神奈川県川崎市出身の古田は、1997年2月25日生まれの21歳。麻生ラグビースクールで5歳からラグビーを始め、神奈川・慶應義塾普通部(中学)から慶應高へ進んだ。
古田のリーダーとしての資質について、慶應高の同期で、現在慶大の主務を務める田中陽太郎はこう振り返る。
「みんなが古田の話をちゃんと聞いていたことは憶えています。彼が話し出すと、みんなが集中して聞く、というか。彼の行動などから、みんなが自然とリーダー視していたと思います」
その慶應高では2014年、ラグビー部副将として迎えた高校3年時の花園県予選決勝で、“東の横綱”桐蔭学園を下し、4年ぶり34度目の花園出場を果たした。
前年度の花園ファイナリストである桐蔭学園が、まさかの県予選敗退――当時の慶應高が与えたインパクトは強烈だった。
花園で負けて、ラグビーとの両立に挑戦。
しかし、花園出場という歓喜の裏で、古田は決断を迫られていた。
「医学部へ行ったら大学ラグビーはないものだと思っていました。花園へ行く前に、大学ラグビーをとるか医学部をとるか、という決断をしました」
古田は周囲の助言もあって医学部進学を決めた。しかし3回戦で御所実(奈良)に惜敗した花園を経て、ラグビーへの熱が再燃。当時就任1年目だった金沢HCの後押しもあってチャレンジを決意した。
医学部生の入部は前代未聞だったわけではないようで、古田いわく、慶大ラグビー部に在籍した医学部生は過去にもいたという。
「以前には1年生の時だけ入部していた方もいたみたいですが、練習時間の融通が利かなかったり……いま以上に厳しい環境だったので、最後まで続けられなかった方が数人いた、という話は聞いています」