“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「ロシアW杯は柴崎岳の大会」となる?
常に一歩先を読んで生きる男の挑戦。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/04/02 08:00
青森山田時代の柴崎岳。高校1年生から背番号「10」をつけ、チームを攻守にわたって牽引し続けていた。
ついに勝ち取ったウクライナ戦、スタメン。
彼がハリル・ジャパンに必要と考える技術を磨き続けていたからこそ、目論見通り、ウクライナ戦でトップ下のスタメン出場を獲得できたのだ。
ウクライナ戦では、ピッチを俯瞰してみせ、抜群の精度の縦パスやサイドチェンジを供給して攻撃に積極的にからんでいった。
スペインで磨いた守備力に関しては、ボールホルダーに激しくプレスバックを仕掛けたり、球際の勝負に挑んだりと、自らが考える「ハリル・ジャパンに必要なプレー」を随所で披露できた。
41分には正確なFKから槙野智章の同点ゴールをアシスト。結局、試合は1-2で敗れはしたものの、全体的に低調なパフォーマンスとなった試合の中で、ハリルホジッチ監督を納得させるレベルのクオリティーを見せたのだった。
「柴崎岳は柴崎岳だ」を証明する舞台。
「僕が大事にしているのは、常に『成長している』という実感を持ち続けること。もちろんその成長スピードは速いときもあれば、遅いときもある。
でも環境が変われば速くなるんです。同じ所にずっといれば『遅いな』って思ってしまうかも。
でも大事なのは……成長が緩やかなときでも急なときでも、その『成長している』という実感を持ち続けるということなんです」
すべては「柴崎岳は柴崎岳」であるために――ロシアW杯は、それを主張する大きな舞台となるはずだ。
代表は一度解散し、次に集まるときは5月下旬となる。
5月30日のキリンチャレンジカップ・ガーナ戦の翌日に、ロシアW杯の最終メンバーが発表されるという。
間違いなく、柴崎の力は今の日本代表に必要となるはずだ。