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マリ戦のままではW杯本番は黄信号!
攻撃の手詰まり感、デュエルで消耗。
posted2018/03/24 11:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にも、選手たちにも、声を大にして言いたいことはあるだろう。
3月23日に行なわれたマリ戦は、海外組を含めた編成では昨年11月以来のテストマッチだった。チームが練習をスタートしたのは4日前の18日からで、およそ4カ月の空白を埋める時間としては物足りない。
準備期間が短かっただけではない。スタメンはテストの色合いが強かった。
吉田麻也と酒井宏樹をケガで欠く最終ラインで、ブラジル、ベルギーと対戦した11月に続いての先発出場は槙野智章と長友佑都だけである。槙野と昌子源がセンターバックのコンビを組むのは初めてで、右サイドバックの宇賀神友弥は左サイドを主戦場とするうえに国際Aマッチデビュー戦でもあった。
長谷部誠、大島僚太、森岡亮太による中盤もまた、初めての組み合わせである。3トップの左ウイングには、昨年6月以来の復帰となる宇佐美貴史が起用された。
ポジションごとのブロックでも、同サイドの関係でも、すでに構築されているコンビネーションはごくわずかでしかない。酒井高徳、中島翔哉、三竿健斗、小林悠、本田圭佑が相次いで投入された後半も、スムーズな連携を感じさせる場面はほとんどなかった。およそ4カ月の空白期間を埋める以前に、手探り状態だったと言うことさえできるだろう。
個人のミスが多く、攻撃に手詰まり感が。
とはいえ、エクスキューズはここまでである。
1対1のドローに終わったそもそもの原因として、個人のミスが多かった。試合の流れを失うきっかけとなるミスが、前半からあちらこちらで発生した。チームとしての練度に欠けているから、イメージが噛み合わないミスも多かった。
その先にあるのは、攻撃の手詰まり感である。試合後のハリルホジッチ監督は「5、6回のチャンスがあった」と振り返ったが、黄金の好機やビッグチャンスと呼べるものではない。日本の攻撃がマリに脅威を与えていたかを問えば、率直に疑問符がつく。