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マリ戦のままではW杯本番は黄信号!
攻撃の手詰まり感、デュエルで消耗。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2018/03/24 11:30
日本は後半ロスタイムに中島翔哉のゴールでかろうじて1-1の同点に追いついた。
マリはセネガルほどの質ではなかった。
ならば、マリのレベルが高かったのか?
FIFAランキングは日本の55位に対してマリは67位にとどまるが、彼らを格下とみなすことはできない。今回招集された23人のうち21人までが、フランス、イングランド、オーストリア、ベルギー、トルコなどヨーロッパでプレーしている。
一定の水準に達している「個」の集まりだった一方で、マリはW杯に出場するチームではない。23人の平均年齢は22.7歳で、先発した11人でも22.8歳である。スタメンのなかで国際Aマッチ出場が2ケタに乗るのは、GKとキャプテンだけだった。ちなみに、日本のスタメンの平均年齢は27.3歳だ。
マリの視線はすでに、ロシア以降に向けられている。W杯で対戦するセネガルを想定した相手として間違いはないが、セネガルほどのクオリティに達していない。セリエAのナポリでCBを務めるカリドゥ・クリバリや、イングランドのリバプールでレギュラーを張るサディオ・マネを思い起こさせる選手は、マリにはいなかった。
グループリーグ突破は、はっきりと黄信号だ。
ベルギーのリエージュを舞台としたドローゲームは、より根本的な問題を明らかにしたのではないか。
日本の選手起用はテストの意味合いを含んでいた。自分たちのミスが多かった。W杯出場を逃したとはいえ、マリの「個」はそれなりの水準にあった──どれも間違いではないだろう。
ただ、そうしたマイナス要素がそのまま試合内容に表れてしまう、言い換えれば勝利を阻害する要因を取り除けないのは、W杯の初戦まで3カ月弱となったチームの現在地として危険だ。グループステージ突破に、はっきりと黄色信号が灯っている。