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マリ戦のままではW杯本番は黄信号!
攻撃の手詰まり感、デュエルで消耗。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2018/03/24 11:30
日本は後半ロスタイムに中島翔哉のゴールでかろうじて1-1の同点に追いついた。
香川、吉田らがいたとして圧倒できたのか?
ハリルホジッチ監督は「先発で使いたい選手が5、6人いなかった」と話したが、香川真司、岡崎慎司、吉田、酒井宏、井手口陽介、浅野拓磨らがいたとしても、指揮官が求める「縦に速いサッカー」でマリを圧倒できたのか。
そうは思えないのだ。
曲がりなりにも相手ゴールへ迫った前半に比べると、後半の日本はチャンスらしい形を作れていない。理由はひとつではないが、フィジカル的な消耗も含まれている。
身体能力に優れる相手にもデュエルで負けない姿勢は、アスリート的要求が高まる現代サッカーの方向性としては正しい。1対1の攻防で勝っていくことは、サッカーのベーシックな部分でもある。
ただ、フィジカルにまさる相手と身体をぶつけ合っていけば、消耗するのはマリではなく日本である。その結果が後半の内容に反映されていった、と理解するべきだろう。
試合が進むごとにパワーダウンする可能性が。
ハリルホジッチ監督の縦に速いサッカーでは、グループとしての連動性より個人の打開力が問われるからだ。走る、ぶつかる、走る、ぶつかるといった連続で肉体が消耗していけば、やがては球際の攻防で劣勢になっていく。
デュエルで負けない戦いを追い求めていくと、W杯で対戦する3カ国が相手でも同じ現象に直面すると考えたほうがいい。南米勢のコロンビアにもフィジカル自慢の選手はいるし、ポーランドは身体のサイズが大きい選手の集団だ。1試合目より2試合目、2試合目より3試合目と疲労は蓄積していくから、肉体の消耗が明らかになる時間も試合ごとに早くなっていくと予想される。後半の途中あたりからパワーダウンしていく可能性は高い。