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伏兵セビージャにCLベスト16で敗退。
マンUモウリーニョは賞味期限切れ? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2018/03/17 09:00

伏兵セビージャにCLベスト16で敗退。マンUモウリーニョは賞味期限切れ?<Number Web> photograph by Getty Images

浮かない表情を浮かべるモウリーニョ。ユナイテッド復権は長期的スパンで考えるほかなさそうだ。

ファーガソン退任後、今季が最も好成績。

 一番の尺度となるプレミアリーグに目を向ければ、一定の結果と進歩の跡が見て取れる。「守備的」と言われるケースは多々あるが、積極策を貫くには攻守とも完成度が不足していると判断したのだろう。セビージャとの第2レグでは中盤の底にネマニャ・マティッチとマルアヌ・フェライニという2枚の盾を並べ、カウンターに勝機を見出そうとした。それと同じく国内でも「創造」より「安定」を優先している。

 第30節・リバプール戦(2-1)を終えた時点でのリーグ順位は2位。同節終了時点での勝利数20、勝点65、得点数58はすべて過去4年間で最高である。「ネガティブ」「無気力」と酷評されるのはルイス・ファン・ハール前体制時代と同じだが、2015-16シーズン終了時のリーグ戦49得点は、すでに上回っている。

 モウリーニョ2年目の進歩に世間の目が向かない背景には、マンチェスター・シティの派手な進歩がある。地元の宿敵を率いる指揮官は、やはり就任2年目のペップ・グアルディオラだ。

ペップ・シティが噛み合いすぎている。

 ユナイテッドの対戦相手のサポーターは、モウリーニョを「粗悪なグアルディオラ」と揶揄する。この例を取り上げるまでもなく、ペップは言わずと知れたモウリーニョのライバルでもある。その“本家グアルディオラ”のマンCは、ラインを高く押し上げた攻撃的なスタイルで、すでに優勝間近となっている。

 昨季3位から首位に躍進させたグアルディオラの手腕は、さすがと言わざるを得ない。それと同時にシティでは、サッカーの志向性がフロントと監督の間で完全に一致している。だからこそ、就任1年目の昨季は無冠でも許された。

 だからこそグアルディオラの意向に沿った補強が完璧に近い形で進んでいる。過去4度の移籍市場に投じられた4億5000万ポンド(約680億円)近い補強予算も、20チーム中最高額だ。

 既存戦力にもグアルディオラの目に適うレベルの選手が揃っていた。最前線のセルヒオ・アグエロ、中盤のケビン・デブライネ、同じくチャンスに絡むダビド・シルバやラヒーム・スターリング、ボール奪取と攻撃参加をこなすフェルナンジーニョは、いずれもグアルディオラが受け継いだ顔ぶれだ。

「監督がペップならユナイテッドも今頃は……」という口さがない意見もあるが、2年前にグアルディオラがユナイテッドを新天地に選んでいたとしたら、これ以上の投資をチーム作りに求めていたに違いない。

【次ページ】 ポグバ、ラッシュフォードが精彩を欠く。

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