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伏兵セビージャにCLベスト16で敗退。
マンUモウリーニョは賞味期限切れ?
posted2018/03/17 09:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
3月13日のセビージャ戦・第2レグを1-2で落とし、マンチェスター・ユナイテッドはCLベスト16で姿を消した。イングランドでは予想外の早期敗退、そしてジョゼ・モウリーニョ体制下での消極姿勢に批判の声が上がった。
メディアの中には「過去の監督」とみなすような論調もある。『デイリー・メール』紙の報道によれば、ユナイテッド経営陣の中にも「もはやモウリーニョは思っていたような監督ではない」という意見の持ち主が現れているようだ。
モウリーニョ当人は、敗戦直後も淡々としていた。
「ホームで敗退が決まってもどうということはない。クラブとして前例がないわけでもないのだから」
かつてポルトとレアル・マドリーの指揮官として、オールド・トラッフォードでユナイテッドのCL敗退を目撃している事実に触れた。現ユナイテッド監督の内心には敗戦の悔しさと、手堅く勝ち上がるプランを実行できなかったチームへの苛立ちが渦巻いていたことだろう。この発言を、負けず嫌いの言い訳と見る向きもある。
現状は停滞しているわけではない。
だが現実主義のモウリーニョの行間を読めば、現在のユナイテッドはCL優勝候補ではなく、その認識で任務に当たっているのだと言っているかのようだった。
実際にユナイテッドは、サー・アレックス・ファーガソン元監督勇退後の過去4シーズンのうち、2シーズンはCL出場すらできていない。前回出場の2015-16シーズンはグループ3位に終わり、決勝トーナメントの舞台はヨーロッパリーグへと格下げされた。
にもかかわらず、今季のユナイテッドに8強以上が期待されていたのは、監督がモウリーニョだからだろう。事実、これまでビッグクラブ就任2年目のモウリーニョは100パーセントのタイトル獲得率を誇っている。セビージャ戦にしても、優勝候補ではないセビージャ相手なら着実にベスト8に駒を進めるという見方が強かった。
とはいえ「賞味期限切れ」と評され、期待を裏切った感のある監督の下で、ユナイテッドが停滞あるいは劣化しているのかと訊かれれば、答えは「ノー」だ。