リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
リーガで唯一の無失点ホーム6連勝。
3-5-2で戦う昇格組ジローナの秘密。
posted2018/03/15 10:30
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
今季リーガのホームゲームで6連勝を記録しているのは、今のところ3チームのみ。そこに「無失点」という条件を加えると、やってのけたのはわずか1チームとなる。
28戦無敗のバルサではない。地元で無敗かつ現最少失点チームのアトレティコでもない。負けや引き分けがそれぞれ2つ以上あるマドリーやバレンシアも違う。セビージャでもない。
なんと、昇格組のジローナである。
途中カンプノウで1-6の大敗を喫しながらも、本拠では乱れることなく敵をなぎ倒し続けた結果であり、これだけで称賛に値するが、おかげで3月上旬にして1部残留に必要とされる42ポイントのラインをも越えてしまった。その上EL出場圏にまで迫っているのだから、刮目に値しよう。
クラブ史上初の1部を戦う小クラブらしく、世界的名手を持たないジローナは、強さの源をベンチに置いている。昨年夏の時点ではリーガ2部のファン以外には全くといっていいほど知られていなかった監督、パブロ・マチンその人である。
ヴェルディのロティーナの下で。
彼はまず経歴が面白い。サッカー場どころかコンクリート床の多目的コート1つしかないスペイン中北部の村ゴマラの、サッカー好きが1人もいない農家に生まれたマチンは、小学校のとき近郊のソリアに引っ越したことをきっかけに、町最大のクラブ、ヌマンシアのテストを受けて入団した。
元はセンターバックながら右サイドバックやピボーテをもやりつつ、カテゴリーを上げていった彼はやがてトップチームの一員となる。そしてその頃には早くも監督ライセンスを取得している。
本人によると「学びたいという気持ちから、常にいろいろな事を知りたがっていた」ため、当時の監督ロティーナ(現東京ヴェルディ監督)に背中を押されてその気になったらしい。
そして左膝の十字靱帯を壊して23歳で現役を退くと、地域レベルの小クラブで下地を作った後、ヌマンシアで監督の道を本格的に歩み始めた。