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カーリング本橋麻里らの重い言葉。
「4年に一度」人気、競技の発展は。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2018/03/02 07:00
「キープ・スマイル」「ステイ・ポジティブ」。本橋(右)が掲げたスローガンどおりの戦いぶりだった。
競技が発展していくポテンシャルはある。
平昌での女子日本代表チームは、ハーフタイムにお菓子や果物を摂る光景、試合中の言葉なども注目され、さらに関心を高めた。ただこれほどまでの人気を獲得した最大の理由は、彼女たちの戦いそのものなのだ。
また4年ごととは言えオリンピックで注目競技となったということは、1つの事実にも行き着く。
それはカーリングそのものが魅力的で、観て面白い競技であるということだ。オリンピックで中継され、目にする機会があると関心を集められる理由だ。
だから、競技が発展していくポテンシャルはある。
あとはどのように現在の状況をつなげていくかだ。
例えば、試合を目にする機会をどう増やしていくか。これまでも日本選手権は放送されてきたが、その事実があまり周知されていない現実を、周囲の人と話す中で感じさせられた。放送されているということ自体を知ってもらうこと、さらに日本選手権以外の大会が中継される機会を増やすことが大事になる。
そして何より、カーリングに触れる機会をどのようにして築くか。「カーリングをしてみたい」という声が増えていると聞く。ただ、いざやってみたくても施設はきわめて限られているし、簡単に増やせるわけではない。
それでも、立ちはだかってきた厚い壁を乗り越えたLS北見の選手やスタッフたちを見れば、地位向上と人気をつなげていくための努力は、もっとできるはずだ。それが競技環境の向上にも寄与する。
吉田知那美は言う。
「マイナースポーツのカーリングが、日本の国技になるぐらいの努力をしていきたいと思います」
その意気や良し。