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<五輪初勝利の先へ>
スマイルジャパン「本当の笑顔は4年後に」
posted2018/03/01 10:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JMPA
2月20日、アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」は、予選リーグで1-3と敗れていたスイスとの5-6位決定戦に臨んだ。結果は0-1で惜敗。彼女たちは6位で大会を終えることとなった。
長野、ソチに続く3度目の五輪出場となった今大会では、初戦のスウェーデン戦、2戦目のスイス戦に連敗。しかし3戦目の南北合同チーム「コリア」から記念すべき五輪初勝利をあげた。さらに、続く順位決定予備戦では初戦1-2で敗れたスウェーデンと再戦。延長戦の末に、2-1でリベンジを果たしていた。
6位は日本のアイスホッケー女子史上、オリンピックでの最高タイの順位である。それでも、選手たちは、チームのモットーとする笑顔を浮かべることはなかった。
「勝てそうな試合を、勝ちきることができませんでした」
主将の大澤ちほは、厳しい表情で振り返る。その言葉の通り、世界ランキングも実績も格上のスイスやスウェーデンに食い下がる場面は少なからずあった。何度もゴールに迫り、好機を演出した。
ソチ五輪と比べれば、ソチの計6得点・16失点から、平昌の計8得点・8失点へと、数字の上でも、内容でも、明らかにチーム力の向上を感じさせた。
堅守を軸にしつつ、チャンスを確実にものにするという、ソチの後に打ち出してきた戦術や、相手を上回る運動量によって体格で劣るハンデを補う方向性には、一定の成果があったと言えるだろう。
日本球技全体の課題、決定力不足が。
だが、「アイスホッケーの地位向上のために」の思いとともに掲げていた「メダル獲得」という目標は遠かった。何が足りなかったのか。エース久保英恵は大会全体を見渡し、課題をこう語る。
「相手はここぞというときに数少ないチャンスを決めてきます。日本は得点力を上げていかないと」
スイスとの5-6位決定戦での失点シーンは象徴的だ。日本のパックがおさまらなかったところを見逃さなかったスイスのフォワードは、パックを奪うと1人で持ち込み、決勝点を奪った。この試合、シュート数では日本が上回っていた。にもかかわらず敗れたことは、決定力不足を切実に物語っている。日本球技全体の課題を、アイスホッケー女子日本代表もまた、突きつけられた。