“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
U-17W杯で痛感した世界最強との差。
福岡慎平と上月壮一郎の成長曲線。
posted2018/02/15 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
2018シーズンの幕開けとなった富士ゼロックススーパーカップの前に、日本高校選抜とU-18Jリーグ選抜によるネクストジェネレーションマッチが開催された。
この一戦は全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心に、3月下旬のヨーロッパ遠征をに向けて日本高校サッカー選抜と、Jクラブユースに所属する新高校3年生以下から選ばれたU-18Jリーグ選抜が対戦する試合だ。
試合は2-1で日本高校選抜の勝利となったが、敗れたU-18Jリーグ選抜の中には昨秋のU-17W杯でかけがえのない財産を得て、それを成長の糧にしている2人がいる。
京都サンガU-18所属の福岡慎平と上月壮一郎である。
「(イングランド代表に関しては)衝撃しかなかった。すべてにおいて相手は僕らを上回っていた」
福岡は、U-17W杯最後の一戦をこう振り返っていた。
体格どころか技術でも負けている。
U-17日本代表は決勝トーナメント初戦となるラウンド16でイングランドと対戦した。
この世代イングランドはタレントの宝庫と呼ばれており、日本から見ると明らかに格上だった。ドルトムントで出番をつかんだMFジェイドン・サンチョ、チェルシーで出番を得ているMFハドソン=オドイ、大会MVPに輝いたMFフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)、マンチェスター・ユナイテッドのMFアンヘル・ゴメス……。世界最強チームだった。
結果は0-0の末、PK戦で敗退。この大会で優勝を飾ったイングランドをゼロで抑えたのは日本だけで、数字から見れば“イングランドを一番苦しめたチーム”だった。しかし、ピッチに立った選手たちは、点差以上の差を感じていた。
「イングランドはもちろん球際が強いなと思った。ただそれ以上にパスの質とボールコントロールの質が上回っていました。“身体が大きくてフィジカルもあって、こんなに上手いのか!”という衝撃しかなかった。すべてが僕らより上回っていて“自分達は置いていかれている”という強烈な危機感を覚えました」(福岡)
「あの試合は自分の価値観が180度変わった試合でした。相手はどんなタイミングでパスを出してくるのか、どのタイミングで抜いてくるのかが全然分からなかった」(上月)
2人のコメントは、その衝撃を大きさを強く感じさせた。