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「ブラジルW杯前と、状況は同じ」
森重真人、復活へのロードマップ。
posted2018/02/27 17:00
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
Getty Images
踏んだり蹴ったりの2017年シーズンが過ぎ去った。森重真人は、勝負の2018年シーズンを戦おうとしている。
いまから1年前、森重からは「危機感」という言葉が繰り返し放たれた。
所属するFC東京はなかなかタイトルを獲得できないシーズンが続く。'17年は大久保嘉人や高萩洋次郎、林彰洋など各ポジションに実力者を獲得し、満を持してリーグタイトルを本気で奪いにいった。周囲の注目と期待が高まる中、自らにも言い聞かせながらこのように語った。
「確かに選手は加わったけど、僕たちはまだ何も成し遂げていない」
誰よりもタイトルへの思いを強く抱いて、シーズンインしたはずだった。しかし、徐々にチームは安定感を欠いていく。多くのタレントが持つ、さまざまなサッカー観。チームとしてそれを1つに束ねられないまま試合を重ねていき、FC東京は混迷の道に入り込んでしまった。
森重個人も、そんなチームに引っ張られるように調子を落としていった。
リーグ戦でもピリッとしないプレーで失点に絡み、若い頃から指摘されてきた集中力の欠如が再びクローズアップされることもあった。
代表で長らくCBとして活躍してきたが……。
一方、日本代表としての戦いも並行していた。
'17年3月には、ロシアW杯最終予選アウェーでの大一番となったUAE戦を戦い、2-0で快勝した。ただこの試合で先発した森重は、自身のポジションから相手に崩される場面もあるなど、本来の出来とは言えなかった。
4月、5月と、FC東京も森重個人も状態は上がらず――。
そして6月の日本代表2試合のメンバーから、遂に選外となってしまった。
'13年7月の東アジアカップ以降、ザックジャパン、アギーレジャパン、そしてハリルジャパンと3体制にわたって不動のセンターバックとしてプレーしてきた。
約4年ぶりの代表落ちである。