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「柏のブラジル人」はいつも当たる。
走って打つCF、クリスティアーノ。 

text by

茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2017/12/30 11:30

「柏のブラジル人」はいつも当たる。走って打つCF、クリスティアーノ。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

走行距離=結果とは限らない。それでもクリスティアーノが残した数字は、柏への貢献度の高さを象徴する。

最終節の広島戦でもとにかく走りまくった。

 ゴールを決める、アシストする、そして走りまくる。何でもできるのがクリスティアーノの強みである。

 印象的だったのは、最終節のサンフレッチェ広島戦である。この試合クリスティアーノは決勝点をアシストしたが、それ以上に効いていたのが守備面だった。リードを奪って以降、クリスティアーノは全速力のプレスバックでカウンターの芽を摘んでいた。この試合でも走行距離は12.416km。当然のごとくチーム内最高距離を記録した。

 とにかく走るクリスティアーノ。柏には「♪突き進め柏 止まらない柏……」という名物チャントがあるが、その一節を拝借すれば「突き進むクリス 止まらないクリス」なのだ。

「ボランチでの起用が、今なお生きている」

 蛇足はともかく、広島戦後のミックスゾーンでのこと。「相手に得点を許さず、僕たちの守備的な部分が機能した結果だったし、攻撃もチャンスを作れた」と囲み取材で語っていたクリスティアーノに、なぜそんなに走れるのかと疑問をぶつけた。すると彼の力はキャリアを通じて形成されたものだと説明してくれた。

「自分は2012年、オーストリアでプレーしていた時、ボランチで起用されることが多かった。日本に来てからも栃木でボランチでプレーする機会があって、守備的な部分において、いい経験ができた。その経験が今なお生きているんだと思う」

 クリスティアーノは2013年からJリーグでプレーし続けている。栃木SC、ヴァンフォーレ甲府、そして柏と渡り歩いた。サイドアタッカーでの起用が主だったが、本人が話すように、ボランチに入ることもあった。なおボランチでのプレーは、オーストリアの名門レッドブル・ザルツブルクでも経験している。

 つまりセンターフォワードに入っても、かつてプレーした中盤での献身性を発揮しているのだ。柏のGK中村航輔は以前、クリスティアーノのことを趣味の将棋に喩えて「飛車のようです」と表現していたが、その縦横無尽の存在感は確かに似ている。

【次ページ】 もし来季ACL出場権が転がり込んできたら……。

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