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「柏のブラジル人」はいつも当たる。
走って打つCF、クリスティアーノ。
posted2017/12/30 11:30
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
千葉県柏市では、太陽は東ではなく、地球の裏側ブラジルから昇る……。
こんな“Jリーグ都市伝説”ができそうなほど、柏レイソルとブラジル人アタッカーの縁は深い。
その歴史はJFL所属時の1993年、ゴールネットを揺らし続けたブラジル代表のエースストライカー、カレカから始まった。以降、ホーム日立台とブラジル人の活躍は切っても切り離せない。
カレカ以降も、名前を聞いただけで、柏サポーターならずともJリーグファンならその強烈なプレーぶりを思い出すだろう。
1996年から2シーズン所属したエジウソンは弾丸のようなスピードでゴールを量産。1試合平均得点0.729は通算20ゴール以上で歴代3位、ブラジル代表として日韓W杯メンバーにも選出された。その後柏に再加入したものの、2003年シーズン開幕前に突然チームを去った。ブラジルの太陽は時たま勝手に日没することもある。
フランサ、レアンドロ・ドミンゲス、そして……
21世紀に入って強烈な印象を残したのは、レバークーゼンからやってきた魔法使い・フランサ。頭を覆うヘアバンド姿が印象的なナンバー10は在籍6シーズンの間、そのスキル、茶目っ気を奔放に発揮した。
2010年J2、翌年J1の連続優勝をもたらしたのが、レアンドロ・ドミンゲス。当時のネルシーニョ監督が獲得を熱望し、その期待に応えて大活躍を見せてJ1初制覇、自らもMVPを獲得した。その脇を固めるジョルジ・ワグネルの強烈な左足とアップダウンも、サッカー王国の懐の深さを感じさせた。
この華々しい“ブラジリアン列伝”に、新たな名前が刻まれようとしている。言うなれば90分間輝き続ける太陽、クリスティアーノだ。