球道雑記BACK NUMBER
2年生右腕・杉山晃基が154キロ投球!
明治神宮大会に3年ぶり出場の創価大。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2017/11/06 08:00
それほど大きな身体つきではないが、しなやかで強靭な特性を活かして豪速球を投げる杉山。
大学に入ってフォームを改良し続けている杉山。
試合は、春のリーグ覇者である共栄大学を相手に9回114球を投げて打たれたヒットはわずか2本無失点。与えた四死球も2つと非の打ち所がない完璧な投球で、この秋は最優秀投手賞、最多勝利(6勝)、最優秀防御率(1.26)、ベストナイン、最高殊勲選手賞の五冠を獲得して、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。一皮剥けたと言ってよいだろう。
盛岡大付属高時代にノーワインドアップで投げていたフォームを、大学からセットポジションに変更した。
さらに、この夏は二段モーション気味だった部分をマイナーチェンジ。筋肉や関節がさらに連動するように、自身でもフォームの研究を重ね、力の伝達が以前よりスムーズになったと佐藤康弘ピッチングコーチも太鼓判を押す。
ウエイトトレーニングは週2回。昨年よりも量を増やして、1日1~2時間を目安に行っている。昨年1年間、背中を追いかけた先輩・田中正義の影響も当然ある。
常に冷静に、淡々と、俯瞰的に自分を見て投げられる。
この春のシーズンが終わってからは、田中を見習い食生活も見直した。
糖質を抑え、間食でお菓子は一切口にせず、ごはん以外のものもなるべく食さないように心掛けている。
「体の動きもそうですし、気持ちの部分でも違いますね。やっぱりこういうことをやっているから大丈夫だろうと思う部分もありますし、自分でもやらないよりはやった方がいいのかなって思っています」(杉山)
試合前やトレーニングの前には、オリジナルドリンクの摂取を欠かさない。
「試合前やトレーニング前にカフェインをとっています。血流を良くしてパフォーマンスを上げたり、集中力を高めたり、これも春のリーグ戦が終ったあとからですね」
取材を重ねるうちに分かったことだが、普段は素直で物静かな性格の杉山だが、内には芯の強さを秘めている。
三振を奪っても、マウンドで吠えたりはしないし、常に冷静に、淡々とあろうとする。
ピンチを迎えても、点を奪われても、なるべく感情の起伏を表に出さない。俯瞰的に自分を捉え、それが自身のピッチングに影響が出ることを彼は知っているようでもある。
そうした芯の強さは横浜市長杯の2回戦終了後にも出た。