球道雑記BACK NUMBER
2年生右腕・杉山晃基が154キロ投球!
明治神宮大会に3年ぶり出場の創価大。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2017/11/06 08:00
それほど大きな身体つきではないが、しなやかで強靭な特性を活かして豪速球を投げる杉山。
向かい風を受けながらも149キロを記録した!
投球練習が始まるといきなりキャッチャーミットをボールがすり抜けて、バックネットに直撃。
試合が始まっても、彼の荒れ球はなかなか収まることがなく、初回は直球が高めに抜けることが多かった。
それでも球速表示が辛いことで知られている同球場のスピードガンで、強い向かい風を受けながら、いきなり149キロを計測したのには驚いた。
たまにピッチャーのボールではない別の何かを計測することもあるというマニアの間で噂の、ここのスピードガンをいつもは懐疑的に見ていたが、その後も2ストライクに追いこんでからの勝負球は140キロ台後半のボールを連発。
噂は確信に変わっていった。
2週間に5試合投げて、得たものとは?
驚いたのは球速だけじゃなかった。
その日以降も取材を継続していくと、試合を追うごとにゲーム勘が磨かれているのを感じた。
この秋の2カード目となった東京国際大戦、そして流通経済大学戦、さらに翌週の杏林大学戦の2週間で計5試合に登板。
「あの試合が続いたとき、全部で5試合投げたのかな。(それまでの)杉山は速いボールが投げたかったの。だから150キロ投げろって言ったら投げるよ。だけどそれでは勝てないっていうのが(徐々に)分かったんじゃないかな。2週間で5試合も投げればそりゃあもう力も入らないよ。その力が入らないのも良かったんじゃないかな。力の抜き方、これは練習じゃ出来ないね。こういう実戦じゃないと……。
それで今度は球が手元でビュッと来るようになった。(それまでは)150キロ投げたけど棒球だった。それが今はだいぶ質も良くなっている。あそこからちょっと変わったんじゃないかな」
創価大学・岸監督も、この秋の杉山の成長を高く評価している。