ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
豪州担当スカウトが見た大迫の価値。
「彼の1トップで日本は変わった」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/09/17 09:00
相手を背負ってボールを収める。シンプルだが日本人FWが最も不得手とする類のプレーを大迫は難なくこなしている。
大迫の採点はあまり良くないかも知れないけど。
<2017年8月31日:試合後>
「日本の完勝だったけど、やはり大迫の存在は大きかった」
――彼がいなかったら展開は全然変わっていた。あれだけ戦って、たとえ前は向かなくとも少なくとも奪われないのは。
「ほかのアジアのチームより、オーストラリアは強いので手こずってはいました。もっと出来るという悔しさが本人に残る試合だと思いますが、やはり一番効いてましたね。本人は納得いかないでしょう。ミスも多かったし。でも十分なぐらいできていたと思います。
オーストラリアは(大迫を)相当嫌がってました。空中戦でミリガンは勝てなかったし、セインズブリーとスピラノビッチはそこそこ勝っていたけれど、普通ならオーストラリアがそこで前に出て勢いに乗れるところを止められていた。あれっ、ここで抑えられるのかという。
今までの日本にはなかった武器でしたね。そう考えると井手口と大迫の存在はけっこう大きいなと。採点をすると大迫はあまり良くないかも知れないけど」
――とはいえ彼がいてこそチームのプレーができていたというのはあった。
「改めて嫌な選手だと思いますよ(笑)。イコール素晴らしい選手なんですけれども」
今矢直城の分析に基づく日本対オーストラリア戦の勝敗のポイントに関する詳細なレポートは、現在発売中のNumber臨時増刊号に掲載されているので、そちらもぜひ併せてお読みいただきたい。