ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
豪州担当スカウトが見た大迫の価値。
「彼の1トップで日本は変わった」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2017/09/17 09:00
相手を背負ってボールを収める。シンプルだが日本人FWが最も不得手とする類のプレーを大迫は難なくこなしている。
代表メンバー発表後、率直な意見を聞くと……。
<2017年8月27日:日本代表メンバー発表を受けて>
――中盤はダブルボランチになるの?
「そうだと思います。トップ下は香川で行きたいんじゃないですか。右が本田、左が原口、トップが大迫。今望むのはそれかなと。でも状態を見てみて、やっぱり本田厳しいなとか、武藤の方がいいんじゃないとなってくると、変わる可能性はある。もちろん久保もずっと使っていますから。でも状態はあまり良くないですね」
――武藤の起用はあり得る?
「武藤は昨日の試合では、4-2-3-1のトップでした。大迫のキープを捨ててトップを武藤というのも、割り切った策としてあり得るんじゃないですか」
――ただ、大迫の役割に代われるのはこのメンツでは本田しかいない。
「あとは杉本健勇。ただし杉本は、あくまで大迫が100%駄目というときの保険だと思います。それにひとりぐらいJリーグ勢を入れておかないとまた批判されるから」
――ということは普通に考えて大迫がトップで左が原口。
「原口の状態がどうかですね。ずっとベンチだから。そこの武藤もあるでしょうね」
――岡崎というのは?
「オーストラリアの人たちは岡崎はないのか。あれだけ調子がいいと使わざるを得ないだろうって。でも使うとしたら右じゃないですか。大迫がOKな時点で岡崎が出るとしたらたぶん右でしょうね」
――乾の使い道はない?
「乾は効くと思う。あれは止められないです。正直いって岡崎より乾の方がいいと思います。オーストラリア人は岡崎のようなタイプにはそこそこ慣れている。でも乾みたいにアイディアもあって逆をピュッと突いてくる選手はついていけないですから。サウジ相手だったら岡崎の方がいいかもしれないですが」
恐らく、さらにその後スタッフと話し合ったのだろう。試合当日の朝、今矢が送ってきた日本代表のスタメン予想は次のものだった。
FW:大迫
MF:原口 井手口 柴崎 浅野
MF:長谷部
DF:長友 昌子 吉田 酒井宏
GK:川島