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バスケ男子日本代表、アジア杯へ!
前哨戦で見えたラマスHCのスタイル。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/08/08 11:00
橋本と戦術のコミュニケーションを取るラマスHC。お互いの考えをすり寄せることで、レベルアップを図っている段階だ。
ベンチでの立ち振る舞いも含めて、全てが強さになる。
この2試合に限って言えば、橋本はPGのなかで最も短い出場に終わった。ただ限られた出場時間、そしてワンプレーに込めた想いをこう明かしていた。
「試合に出ている時間も出ていない時間もあるわけですけど、応援してくれる日本の人たちが、僕たちの結果に一喜一憂してくれるということを、心の中でかみしめることが非常に重要だと思っています。ベンチでの立ち振る舞いも含めて、全てがチームの強さになると思うので。出ていても、出ていなくても、僕はやることをやりますし、このチームの一員になりたいと思っているので」
第2クォーターの最後は、篠山と橋本が同時にコートに立っていた。終了間際には篠山が相手ボールホルダーに密着する勢いで自由を奪う。最終的にはウルグアイの24秒の時間切れを誘発し、前半を締めくくった。橋本のプレーに篠山が触発されたのが、強く印象に残っている。
40分間やり続けるひたむきさは世界で最も優れている。
ウルグアイ戦だけでなく、バスケットボール日本代表は昨年末からほぼ月に1回のペースで代表合宿が組まれるようになり、強化に割く時間はBリーグ発足以前とは比べものにならないほど増えた。
またBリーグが創設されたことで、選手を取り巻く環境が以前とは比べものにならないほど、恵まれたものになった。ただそこで満足するのか、さらなる高みを目指していくのか、今後はそこも問われることになる。加えてラマスHCは「日本らしいスタイル」を模索していくとも言う。決して平坦な道ではない。
富樫は言う。
「『40分間やり続けるひたむきさとか、そういうところが日本人は世界で最も優れている』と監督は言っている。『勝ち負けもあるだろうけど、40分間勝ち続けるためにやっていけば、良いことが起きる』とずっと言っているので、そこは信じてやっていかないといけないと思います」
富樫が口にした「良いこと」とは何か。本人はこう続ける。
「FIBAランキングが上の相手だからといって、負けてしょうがないという気持ちになっていけない。個人、チームとしてもそういう意識を持ってやりたいと思います。それによって1つレベルアップして行けるんじゃないかなと」
東京オリンピックに出場できるのは12チーム。そして日本は開催国での出場権を与えられていない。FIBAランキングでも全体で48位、アジアだけに限ってみても8位に過ぎない。目指すべき目標は、はるか先にある。
そのためにどんな可能性を示せるか。ラマスが指揮を執るようになってから最初の公式戦である、アジアカップはその可能性を探る大事な大会となる。